ポルノグラフィティのデビュー25周年プロジェクト「島ごとぽるの展」が7月20日にスタート。これは2人の故郷である広島県因島全体を舞台にした、ひと夏限定の体験型エキシビジョン。オープニングセレモニーでは
岡野昭仁、
新藤晴一の2人がサプライズ登場し、祭りのはじまりを宣言しました。
「ポルノ展」は、ポルノグラフィティの歴史や軌跡を体感できる人気企画で、過去に東京で2回開催。それが今回デビュー25周年ということで故郷・因島とタッグを組み、島全体をフィールドに行うことになりました。イベントの開幕を告げるオープニングセレモニーでは、岡野昭仁、新藤晴一もサプライズで登場。「25周年のこの節目で、お世話になってきた島の方に恩返しがしたかった」(岡野)、「みなさんの夏の思い出の1日にしてもらえたら」(新藤)と想いを語り、はっさくん(尾道・因島イメージキャラクター)、尾道市長らと並んでテープカットを披露しました。
「島ごとぽるの展」の特徴は、最先端のテクノロジーを使いながらローカルなふれあいも同時に楽しめるところ。イベントのメインコンテンツは「因島謎解きサウンドウォーク」。これはスマートフォンの位置情報を利用した音声ドラマを聞きながら島を巡るというリアル謎解きゲームで、ストーリーもポルノの楽曲にインスパイアされています。彼らの楽曲を聴きながら2人の生まれ育った島を歩くというのは、ファンにとってまたとない経験になるはず。また謎の内容も秀逸で、ポルノファンならずとも、しまなみの美しい景色を堪能しながら楽しめるコンテンツとなっています。
そして、ポルノグラフィティの音楽に改めて触れられるコンテンツも数多く用意されています。ファンとしてたまらないのは、2人が高校時代に通っていたミュージックショップ「ミツイシヤ」の復活。店内は当時の様子が再現され、昭和にタイムスリップしたかのよう。運が良ければ、2人の成長を見守った元店主・村上恵子さんが対応してくれます。また、この夏限定で島に映画館が誕生。そこでは2018年、尾道市びんご運動公園で行われた雨中のライヴ〈しまなみロマンスポルノ’18〜Deep Breath〜〉初日公演が上映されています。ファンで埋め尽くされた客席には音楽に合わせて体を揺らす人の姿も見えます。さらに、ファンクラブ主催「ぽるの思い出写真館」ではなつかしい写真や未公開写真の展示も含め、体験型アミューズメントが用意されています。
ポルノグラフィティの音楽を堪能する一方、彼らのルーツである因島を味わえるコンテンツも見逃せません。「因島×ぽるの 島ごとグルメフェス」には島内の飲食店25店舗が参加。全店彼らの楽曲をモチーフにしたメニューを用意しており、広島風お好み焼きから尾道ラーメン、スイーツまで多種多様。グランプリ店舗を決める投票も行われているので、どれを食べるか悩むところ。2019年に開催したコラボカフェ「喫茶ポルノ」は「移動喫茶ぽるの」へとアップデート。3台のキッチンカーが島内に配置され、オリジナルメニューを提供しています。
これらに加えて、ファンにとってなによりも嬉しいのは、島の人たちのポルノ愛があちこちで感じられるところ。島全体にポルノの幟がはためき、今回のイベント開催を祝うラッピングバスが走行。ギター新藤晴一の地元中の地元である土生商店街では、地元高校生がポルノグラフィティをイメージして描いたシャッターアートが公開され、各店舗でおもてなしグッズも作成されています。他にもビーチサンダルの飛距離を競う大会「しまなみビーサン跳ばし祭り」でポルノ仕様の特別ルールが適用されるなど、とにかく島全体がポルノづくし。彼らがいかに地元に愛されているかが人々との会話や風景から伝わってきます。
本イベントは9月8日(日)まで続きますが、この先には最大のお楽しみが待っています。8月31日(土)、9月1日(日)の2日間、因島運動公園で野外ライヴ〈因島・横浜ロマンスポルノ’24〜解放区〜〉の開催。2人にとって、島外からの一般観客を入れた因島島内でのライヴは今回が初めてとなります。「自分たちにとっても25年間で一番思い出になるライブにしたい」(岡野)、「島の空気と僕たちの音楽が充満するようなライブにできたら」(新藤)と抱負を語った2人。音楽で故郷から世の中を盛り上げようと立ち上げた“ポルノ×広島プロジェクト”も第4弾。ピースで暑いしまなみの夏が、今年はさらに熱くなりそうです。
文=清水浩司
写真=篠原ゆき(SUI)・藤川隆久