ピアニストの
ラルス・フォークト(Lars Vogt)が、亡くなる半年前の2022年3月に独ブレーメンの「Sendesaal Bremen」で録音した、
ブラームスのピアノ四重奏曲第2番と第3番が9月6日(金)に発売されます。録音に参加したメンバーは、ラルス・フォークト(p)、
クリスティアン・テツラフ(vn)、バルバラ・ブントロック(va)、
ターニャ・テツラフ(vc)の4人。
ブラームスは、フォークトが深く傾倒していた作曲家の一人でした。彼とテツラフ兄妹たちはピアノ四重奏曲の全集録音を計画し、2022年3月3日と4日にセッションで第2番を収録。4日の晩のコンサートでは第2番を披露する予定でしたが、急遽第3番も演奏しました。このCDの第2番はセッション、第3番はそのライヴでの録音です。後者はいわゆる一発録りにかぎりなく近い状態と思われますが、クリスティアン・テツラフによればフォークトが発売を望んでいたため、追悼盤としてリリースされることになりました。
CDのブックレットには3人の奏者へのインタビューが掲載されており、その中でこの2曲をクリスティアンは「夏と冬」、ターニャは「光と影」にたとえ、ターニャはさらに「ブラームスのことを、厳格な作曲家だから感情をあらわにしたり感傷的になったりしないと言う人もいますが、ラルスは先入観にとらわれることなく、ブラームスの音楽で踊ったり、笑ったり、泣いたり、ブチ切れたりしたし、私たちもまったく同じノリで音楽を奏でました」と回想しています。