1984年、
森重樹一が本当にやりたい音楽を追求するために結成した
ZIGGY。そのZIGGYが今年結成40周年を迎えました。
4月には、2017年の再始動以降に発表された楽曲からメンバーがセレクトした
ベスト・アルバムをリリースし、現在のZIGGYのサウンドをあらためて提示してくれましたが、いよいよ10月23日(水)にニュー・アルバム『
For Prayers』を発表します。
これまでも自身の理想のサウンドをさまざまな表現方法で具現化してきたZIGGY。前作『
SO BAD, IT’S REAL』ではシンプルな音で森重の歌と言葉、メロディが生々しく際立つ作りでしたが、本作はZIGGY本来が持つカラフルさを強く感じさせます。
疾走感や躍動感に満ち、起伏にも富んでいます。かと言って散漫ではなく、どの曲にもZIGGYにしか作りえないメロディが貫かれています。また、アルバムの最後にはメジャー・デビュー前の楽曲である「追いかけて」が収録されていて、多少のアレンジは加えられているとはいえ、結成当時から現在のZIGGYに通じる旋律が流れていることに驚かされます。
そして、何よりもバンドとしての絆の強さがあります。正式メンバーは森重のみという形ですが、ファンならご存じの4人(
カトウタロウ、Toshi、CHARGEEEEEE…、佐藤達哉)とガッチリと組み作り上げた、バンドだからこそ生まれるアンサンブルは必聴です。さらに、森重の旧来の戦友といえる
横関敦もゲストで参加し、テクニカルなギター・プレイを披露していることにも注目です。
以前、森重は『
ROCK AND ROLL FREEDOM!!』(2003年)というアルバムを発表した時、“This is ZIGGY!というアルバムを作りたかった”と語っています。ならば、今回の『For Prayers』は2024年版の“This is ZIGGY!”なアルバムと言えるのではないでしょうか。
ROCK & ROLLを追い続けるZIGGYの“今”に触れてほしいところです。
〈WeROCK編集部 藤中健司〉