マッコイ・タイナー(p)と
ジョー・ヘンダーソン(ts)によるカルテットが、1966年にニューヨークのジャズ・クラブ「スラッグス」で行なった公演を収録する未発表発掘音源が、ライヴ・アルバム『フォーシズ・オブ・ネイチャー:ライヴ・アット・スラッグス』として11月22日(金)に発売されます。アルバムからの先行シングル「アイソトープ」が公開されています。
カルテットのメンバーは、それまでに『
ページ・ワン』『
インナー・アージ』『
ザ・リアル・マッコイ』などブルーノートでの諸作で度々共演を重ねていたタイナー&ヘンダーソンと、アルバート・アイラーやドン・チェリーとの共演で名高い
ヘンリー・グライムス(b)、そして当時気鋭の若手だった
ジャック・ディジョネット(ds)。伝説的なエンジニアであるオーヴィル・オブライエンによって録音されたというこの作品は、ディジョネットの個人アーカイブとして60年近く保管されていました。本作について、ディジョネットは「たまたま、この組み合わせで当時スラッグスで演奏する機会が訪れた。これは本当に素晴らしいものになるだろうと期待していた。そして案の定、全員が明日はないかのように演奏した。幸運にも、素晴らしいスタッフが熱意と献身をもってこの素晴らしい音楽を録音した記録が残っている。これは珍しいことだ……この録音は、ミュージシャンが本当に演奏し、新しいことを熱心に模索し、実験していた時代と期間を表している。当時は非常にクリエイティブな時代だったよ。ミュージシャンたちはさまざまなことを試していたし、もちろんスラッグスのような会場では実際に演奏して技術を磨くことができた。当時、音楽は変化し、いわば、より探求的な音楽へと移行していた。そして、その環境がそうした探求を促したんだ」と語っています。
また、ブルーノートの社長であり本作のエグゼクティヴ・プロデューサーを務めた
ドン・ウォズは、「1966年のスラッグスでの特別な一夜の録音は、私たちを最も奥深いところまでワイルドな旅へと連れて行ってくれます。ヘンダーソン、タイナー、ディジョネット、そしてグライムスが、楽曲に書かれた裏通りや脇道のすべてを、時間をかけて探索しているかのようです。非常に特別な瞬間を垣間見ることができます」とコメントしています。