『DEAD OR ZOMBIE ソンビが発生しようとも、ボクたちは自己評価を変えない』は、日中韓合作映画『湖底の空』でゆうばり国際ファンタスティック映画祭のグランプリを受賞した佐藤智也監督が、映画祭より支援金を受けて製作した短編映画。
倉島颯良が主演し、ゾンビメイク第一人者の江川悦子が特殊メイクを手掛け、ホラーでもアクションでもない終末期の人間ドラマを完成。短編ながら全国各地のミニシアターで公開され、現在U-NEXT他でも配信中の作品。
物語はゾンビが発生し、感染拡大を防ぐために隔離された地方都市で、ゾンビとなった家族を世話するためにそこに残った、倉島演じる早希がサバイバルを繰り広げる静かなゾンビ映画で、コロナウィルスによるパンデミックに呼応したような、家族の物語が話題となりました。しかし実はコロナ禍前から長編映画として企画され、ゾンビ隔離地域に残ってしまう人々のそれぞれのドラマをオムニバス風に描こうと脚本が準備されており、この度、連作短編として配信用シリーズの制作が決定。全編の完成に向けて、クラウド・ファンディングが10月9日(水)よりスタートします。
合わせて、追加キャストも解禁、コメントも到着。前作に続いて参加の倉島は「佐藤監督がゾンビを通して描く表現に共感していると共に、『走らないゾンビ』にまた会えるかもしれないと思うと嬉しく思います」と続編の参加に意欲を見せ、また同じく佐藤監督の日中韓合作映画『湖底の空』に出演の
阿部力からも「佐藤さんの作品からは静かな、そしてとても強いエネルギーを感じさせられます。(中略)今回も佐藤さんの現場を楽しみにしています」とコメント。他にも、紀那きりこ、宮澤寿、涼井菜生、
長谷川千紗、
みやべほの、
和田光沙らの出演が発表されました。
また、 NHKドラマ『大地の子』などに出演した程波ほか、中国人キャストも参加。前回に引き続き特殊メイクを手がける江川悦子らスタッフ、映画評論家の
塩田時敏からもコメントが届いています。『DEAD OR ZOMBIE』連作化プロジェクトのクラウド・ファンディングはMotion Galleryにて、いよいよ10月9日(水)深夜0時からスタート。
[コメント]佐藤監督がゾンビを通して描く表現に共感していると共に、「走らないゾンビ」にまた会えるかもしれないと思うと嬉しく思います。
お力添えをいただければ幸いです。――倉島颯良佐藤監督とは「湖底の空」でご一緒させていただきました。佐藤さんの作品からは静かな、そしてとても強いエネルギーを感じさせられます。現場での佐藤監督ご本人からもそのような感覚を感じます。また作品に呼んでいただけて感謝です。今回も佐藤さんの現場を楽しみにしています。――阿部力この作品に参加できることが決まってから、佐藤監督は、私の出演作を何本もご覧くださり、丁寧にご感想をくださいました。そのように向き合ってくださることにとても感謝すると同時に、身が引き締まる思いでおります。私の演じる天野聖佳は、仕事と家庭の狭間でもがいている、とても人間臭いひとだと思います。その生々しさを演じられるよう、撮影までにしっかり準備をして臨みたいと思います。――紀那きりこエピソード1でゾンビとして出演させていただいておりますが、まさか人間だった頃を描かれる事になるとは夢にも思っておりませんでした!
ゾンビを只の記号ではなく、1人の人間の可能性として描く佐藤監督の作品に参加出来る事を楽しみにしております!――宮澤寿誰もが生きづらさを感じる時代に、少しでも自分らしさや生きる目標を持ってほしいという願いを込めて演じさせていただきます。――涼井菜生前作を拝見し、今回のシナリオを読んで、佐藤監督が描く新しいゾンビの世界に参加してみたいと思いました。どうか、今までに観たことのないゾンビ映画を作り出すために、どうぞよろしくお願いいたします。――長谷川千紗「わたし」はどうなったら、わたしでは無くなるのか。意識や記憶が無くなっても、人格が大きく変わっても、それはわたしなのか。わたしを決めるのはわたしなのか、他者なのか。そんなことを考える一つのきっかけになりました。――みやべほの新しい映画のために皆と共に頑張りたいです!――程波エピソード0はゾンビは登場しないですよ!
むしろ子供を持つ働く若い夫婦の育休問題や、宇宙との未知との遭遇!などを取り入れていて現代を反映しています。
ちょっと視点を変えてゾンビが登場する前に考えたいことがいっぱい!でも違った意味でわくわくします。――江川悦子(特殊メイク/メイクアップディメンションズ)佐藤監督の作品に、また参加することができて大変光栄です。あらすじを読みましたが、育休?人類の進化?自殺志願?と頭がフリーズしています。つまり、とても楽しみです!――谷口尚久(音楽)ゾンビとは何か? ゾンビが走るか走らないかは世代によって認識に差があると思いますが、自分にはやはりジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』(Dawn of the Dead,1978)の衝撃が大きかったです。死者が動き出して生
者を襲う。それに対する生者側の様々な反応が『ゾンビ』には描かれていました。夫が生き返ったと喜び、抱きついて首を噛まれる女性。死んでいく同僚を見守り、ゾンビとして蘇った途端に撃ち殺すSWAT隊員。ハンティングのようにゾンビ狩りをする、ライフルを持った人々。ゾンビは生者の肉を求めて徘徊するだけの存在であり、その現象をどう解釈するかは生者の側に委ねられていました。「親しい人がゾンビになった時にあなたはどうしますか?」という問いが常に生者に投げかけられているのです。――佐藤智也(監督)ゾンビはもはやホラーにあらず。時代劇や西部劇、あるいはロマンポルノのように、一定の描写があれば何でも描ける映画の無限の大地。――塩田時敏(映画評論家)©︎ARGO PICTURES/ MAREHITO PRODUCTION