[各曲解説] Little Axe「Down to the Valley」 1980年代より〈ON-U〉のバックを支えるタックヘッドのギターリスト、元シュガーヒル・ギャングでもあるスキップ・マクドナルド。リトル・アックスは、彼のブルージーなレゲエ〜ダブなソロ・プロジェクト。スキップ&エイドリアン共同プロデュースによる4作目、2002年『Hard Grind』より。落ち着いたムードのダブ・リディムの上をスキップ・マクドナルドの声がファンキーかつブルージーにこだまする。
Harry Beckett「The Storyteller」 レジェンド、チャールズ・ミンガスに見いだされたUKジャズの重要トランペット・プレイヤー、故ハリー・ベケット(2010年逝去)。彼がエイドリアン・シャーウッドと作りあげた2008年のアルバム『The Modern Sound Of Harry Beckett』から。数々のリーダー作を持つ彼の作品のなかでも異色な、ダビーな〈ON-U〉のモダン・ダブ・サウンドをバックにそのトランペットが鋭利にブロウする。
Lee Perry「Lucky Tarzan」 1990年に〈アイランド〉からリリースされたリーの『From The Secret Laboratory』以来、約18年ぶりにエイドリアンとのタッグ復活となった2008年『The Mighty Upsetter』、そのオルタナティヴなダブ・ヴァージョンとも言える翌年の『Dubsetter』から。フルートやヴァイオリン、トランペットなどがスリリングにリードを取り、密林へと誘う、怪しくきらめくダブ。
African Head Charge 「Surfari」 空間がゆっくりとねじ曲がっていくようなサイケデリック・ダブ。〈ON-U〉の最初期から現在まで健在のプロジェクト、ボンジョアイのアフリカン・ヘッド・チャージ。2005年作、アルバム・タイトルの『Vision Of A Psychedelic Africa』は、エイドリアンとボンジョが本プロジェクトのヒントにしたというイーノ&バーン『My Life In The Bush Of Ghosts』の元コンセプト。