第37回東京国際映画祭が10月28日より開幕、翌29日には、同映画祭のワールド・フォーカス部門内で開催されている、第2回ラテンビート映画祭 IN TIFFにて注目のホラー映画『叫び』が上映され、終演後には監督のペドロ・マーティン=カレロと主演女優のマレーナ・ビージャが登壇した舞台挨拶が行なわれました。今回その模様が伝わるイベント・レポートが公開されています。
本作は、何者かに追われる気配を感じ、何者かの恐ろしい叫び声を耳にした3人の女性が体験するおぞましい出来事を描くホラー作品で、第35回東京国際映画祭で東京グランプリを含む3冠を受賞した『ザ・ビースト』('22 ※劇場公開時のタイトルは『
理想郷』)の脚本家イザベル・ペーニャが執筆し、第72回サン・セバスティアン国際映画祭では最優秀監督賞を受賞しています。
観客との質疑応答では、映画内の描写や監督の意図を問う質問が次々と飛び出すなど、深夜の時間帯の舞台挨拶にもかかわらず大きな盛り上がりを見せていたという舞台挨拶。11月2日(土)には、アレックス・デ・ラ・イグレシア製作のゴシック・ホラー『ANATEMA』の上映後に、製作陣が登壇する舞台挨拶ティーチインも開催されるとのこと。第21回ラテンビート映画祭 IN TIFFは、第37回東京国際映画祭のワールド・フォーカス部門内にて、11月6日(水)まで開催されます。
なお、第2回ラテンビート映画祭 IN TIFFで上演されるのは以下の通り。詳細はラテンビート映画祭公式サイトをご確認ください。
[「第21回ラテンビート映画祭 IN TIFF」上映6作品]『孤独の午後』 / 上映スケジュール:11月2日(土)10:20〜、11月5日(火)18:00〜
『チェイン・リアクションズ』 / 上映スケジュール:11月1日(金)21:25〜、11月5日(火)19:10〜、11月6日(水)13:30〜
『キル・ザ・ジョッキー』 / 上映スケジュール:11月2日(土)21:00〜
『ペペ』 / 上映スケジュール:11月1日(金)13:50〜、11月5日(火)20:45〜
『ザ・ルーム・ネクスト・ドア(原題)』 / 上映スケジュール:10月31日(木)10:15〜、 11月3日(日)15:15〜、11月5日(火)14:20〜
『叫び』 / 上映スケジュール:11月6日(水)16:10〜[「第21回ラテンビート映画祭」特別企画上映]『ANATEMA』 / 上映スケジュール:11月2日(土)12:00〜
『ペドロ・パラモ』 / 上映スケジュール:11月3日(日)12:00〜[イベント・レポート] マーティン=カレロは、映画を観終えたばかりの観客に「コンバンハ!」と日本語で挨拶。続けて「以前から日本の映画に感銘を受けてきたので、こうして日本に来ることができて嬉しいです」と喜んだ。ビージャも「日本に来るのは初めてですが、みなさん、とても親切で、温かく歓迎してくださり、感謝しています」と笑顔を見せた。
イザベル・ペーニャとの共同脚本について、マーティン=カレロは「イザベルはスペインが誇る最高の脚本家ですが、実は彼女はマドリッドの大学で一緒に映画を学んだ友人です。当時から『いつかは一緒に撮りたいね』と話していたので今回、その夢が叶いました!」と感慨深げに語る。
ビージャが演じるのは、イザベルとマーティン=カレロ監督が、彼女の姿を見てキャラクターを大きく変更した“カミラ”という役柄。ビージャは「2年ほど前にオーディションを受けたのですが、私自身、ホラーはあまり好きじゃないので、あまり乗り気じゃなかったんです…」と苦笑交じりで語る。続けて「オーディションでは、俳優は物語の全体像は知らずに短いシーンだけを演じることが多いのですが、その短いシーンを読む限り、彼女はあまり良い行動はしてないなと感じたので、そういう部分を広げて、あまり好かれないキャラクターを意識して演じてみました。それを監督とイザベルが気に入り、わざわざ私のパーソナリティに合わせて役を書き換えてくれたんです。それが本当に素晴らしい出来で、すごく嬉しかった」と明かした。