ニュース

ジェイミー・エックス・エックス、単独来日公演のレポート “平日の夜でも最高のパーティーが成立”

ジェイミー・エックス・エックス   2024/11/28 16:41掲載
はてなブックマークに追加
ジェイミー・エックス・エックス、単独来日公演のレポート “平日の夜でも最高のパーティーが成立”
 ジェイミー・エックス・エックス(Jamie xx)による最新アルバム『In Waves』を携えた8年ぶりの単独来日公演が11月27日に東京・豊洲PITにて開催。平日の夜ながら、満員御礼の会場を沸騰させた当日の模様を伝えるレポートが公開されています。

 なお、来日公演を祝して会場で発売された来日記念Tシャツとポスターが、Beatinkオンラインサイトにてオンライン受注が予約受付中です。(受注締切は2024年12月8日[日] / 2024年12月下旬より順次発送予定)。また、ジェイミーの直筆サイン入りポスターが当たるキャンペーンがBeatink公式Xにて実施されています。(2024年12月5日[水]15時まで)

[ライヴ・レポート]
 平日の夜でも最高のパーティーが成立することを証明した一夜

 2024年も残すところあと1ヶ月、僕自身が今年一番聴いたであろうジェイミー・エックス・エックスが、アルバム『In Waves』のツアーで8年ぶりに単独での来日を果たした。僕はこの日を待ちきれずに10月の南米ツアーの様子をネットでチェックしたのだが、その熱気の凄さはインターネット経由でも伝わってきた。果たして日本のオーディエンスはどこまでジェイミーのプレイに応えることができるのだろうか。期待と少しの不安を感じながら豊洲PITに向かった。

 フロントアクトの瀧見憲司は抑えながらも期待感を煽る絶妙な流れを作り出していた。そういえば8年前にブリッツでは寺田創一がフロントアクトを務めていた、さすがジェイミー、その辺りもよくわかっているとしか言いようのない人選。瀧見憲司によるスムーズなウォームアップによりオーディエンスはパーティーの入り口まで誘い込まれた。

 ジェイミーがステージに現れ、大歓声の中、オープニングの「Wanna」でまず息をのんだ。しっかりとした音響から放たれる大音量で聴くと、イヤフォンや家のオーディオで聴いた印象と全く違うことに意識が持っていかれた。こんなパワフルでエモーショナルに響いてくるとは思わなかった。続く「Treat Each Other Right」のビートが鳴った瞬間にフロアはあっという間に沸騰してしまった。一切の手続きなしにピークに突入したようなテンション、そこからの前半はアップテンポでレイヴィーなビートがフロアを煽る。BPM140ぐらいのテンポで次々に繰り出されるビートはテクノ、ブレイクビーツからジャングル、ダブステップまで幅広くテンションを落とさず繰り出す。普通はここまでテンションが高いビートが続くとどうしても下品に聞こえてしまうものだが、全くそんなことを感じさせない。これはジェイミーのエディット感覚の素晴らしさと、彼が世界中のフロアで本気のオーディエンスを相手にしてきたことで掴んだものだろう、DJとして世界のフロントラインにいるというのはこういうことなのかもしれない。

 ビートの洪水の中で時折自分の曲のサンプルや断片を散りばめてくる。過去の曲も新しいビートでアップデートされ、「Gosh」のサンプルや「All Under One Roof Raving」のスティール・ドラムのフレーズが響き、徐々にビートがトランシーになり「Still Summer」へ。そこからヒートアップしたフロアを鎮めるように壮大なシンセが会場全体を包んだ。

 そしてステージ後方の巨大なミラーボールが輝き、「Loud Places」から後半がスタート。ロミーの優しい声にミラーボールがよく似合う。そして前回の来日では聴くことができなかった「LET’S DO IT AGAIN」でもう一度フロアに火がつき、そのテンションのまま「All You Children」へ。まさに最強のパーティー・ミュージック、その瞬間のフロアは特別な場所となった。こんな光景を2024年に見ることができるとは思わなかった。「Life」の元ネタのリヴェラシオンの「The House Of Rising Sun」のティンバレスの乱打とスパニッシュ・ギターのソロから「Life」に突入、そのまま「Baddy On The Floor」、たぶん会場にいたほんとんどの人がこの瞬間に全てを忘れて音とダンスに夢中だったにちがいない。

 僕は2018年のThe xxの来日公演のステージでオリヴァー・シムが言った言葉を思い出した。彼はこう言った、「現実の世界は嫌なことやひどいことばかりだけど、僕らが演奏している間だけでも全てを忘れて楽しんで欲しい」。今回のジェイミーのステージは本当にその通りだった。オーディエンスも素晴らしかった、平日の夜にこれだけ音楽を愛している人が集まったこともさることながら、たった2時間だけど特別なパーティーを作り上げることができたのはフロアの熱気があったからだろう。あんなに楽しそうなジェイミーの表情を見たのは初めてかもしれない。こんな体験をしてしまったら次を期待してしまう。心から来年も来てほしいと思う。


拡大表示


拡大表示


拡大表示


拡大表示

Text by 与田太郎
Photo by Kazma Kobayashi


Jamie xx来日記念プレゼント企画
Beatink公式X:https://x.com/beatink_jp

応募方法:
1.Beatink(@beatink_jp)をフォロー
2.対象の投稿をリポスト&いいね
対処の投稿:x.com/beatink_jp/status/1862017915425579276

締切:
2024年12月5日(水)15時まで
最新ニュース
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] アシックスジャパンによるショートドラマ 主題歌は注目のSSW、友成空[インタビュー] 中国のプログレッシヴ・メタル・バンド 精神幻象(Mentism)、日本デビュー盤
[インタビュー] シネマティックな115分のマインドトリップ 井出靖のリミックス・アルバム[インタビュー] 人気ピアノYouTuberふたりによる ピアノ女子対談! 朝香智子×kiki ピアノ
[インタビュー] ジャック・アントノフ   テイラー・スウィフト、サブリナ・カーペンターらを手がける人気プロデューサーに訊く[インタビュー] 松井秀太郎  トランペットで歌うニューヨーク録音のアルバムが完成! 2025年にはホール・ツアーも
[インタビュー] 90年代愛がとまらない! 平成リバイバルアーティストTnaka×短冊CD専門DJディスク百合おん[インタビュー] ろう者の両親と、コーダの一人息子— 呉美保監督×吉沢亮のタッグによる “普遍的な家族の物語”
[インタビュー] 田中彩子  デビュー10周年を迎え「これまでの私のベスト」な選曲のリサイタルを開催[インタビュー] 宮本笑里  “ヴァイオリンで愛を奏でる”11年ぶりのベスト・アルバムを発表
[インタビュー] YOYOKA    世界が注目する14歳のドラマーが語る、アメリカでの音楽活動と「Layfic Tone®」のヘッドフォン[インタビュー] 松尾清憲 ソロ・デビュー40周年 めくるめくポップ・ワールド全開の新作
https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015