2019年に公開され異例の大ヒットを記録したフィンランド映画『
ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』の続編となる『ヘヴィ・トリップII/俺たち北欧メタル危機一発!』(配給: SPACE SHOWER FILMS)が遂に12月20日(金)より劇場公開となりました。
はるばるフィンランドから初来日を果たしたインペイルド・レクタムの面々と
ユーソ・ラーティオ監督が初日舞台挨拶に登壇。前作はコロナ禍の最中で来日は叶わず、日本のファンからの熱い声援に応えて5年越しの来日ということもあり、感無量の舞台挨拶となりました。さらになんと……パート3の構想まで明らかにしました。
[舞台挨拶オフィシャル・レポート] 5年越しの続編に観客の割れんばかりの拍手に迎えられ感無量の登壇陣。プライベート以外での初来日となったユーソ・ラーティオ監督は、日本語で「すげえ!やばい!」を連呼。第一作目である『ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』が公開されたのが2019年、まさにコロナ禍に差し掛かるタイミングでの上映となったが劇場では誰もが予想だにしなかった異例の大ヒットを記録。日本でのヒットについて「2019年からずっと来たいと思っていたから、ようやく夢が叶ったよ。元々は小さな映画として作っていたので、そもそもフィンランド以外で上映されるとは思ってもいなくて…。いざ上映が始まると、日本のコスプレイヤーたちの姿が大量にSNSに上がってきて、なんじゃこりゃ!という感じ。予想外でした。日本のファンは最高だ!」と大興奮。
インペイルド・レクタム(=直腸陥没)の面々は、役柄そのままのキャラクターと世界観で観客への感謝の言葉を口に。初来日の感想を聞かれると、刑務所から出てきているという設定のなかオウラは「刑務所にいるより日本にいたほうがよっぽどいい」と日本を気に入った様子。トゥロは劇中そのままに「俺たちはインペイルド・レクタム!“終末シンフォニック・トナカイ粉砕・反キリスト・戦争推進メタル”を演りに来たぜ!」の一言でライブ会場のような観客の大歓声が。劇中のメイクのまま現れたクシュトラックスは「観客の皆さんにカオスと破壊を巻き起こすというサタンからの使命でやってきている。大成功だと思う」と、日本への布教活動が成功していることに胸を張った。さらにロットヴォネンは「僕らの生活を追ったドキュメンタリーを気に入ってくれて嬉しいよ」と本作がインペイルド・レクタムのドキュメンタリー映画である、というていで語った。
第一作の公開時から劇中キャラクターのコスプレを楽しむ通称“ヘヴィ・トリッパー”なる人々の姿が劇場で見られたのも印象的な本作。その後も毎年上映が繰り返され、ヘヴィ・トリッパーの姿はもはやシネマート新宿の風物詩となった。その現象について聞かれたトゥロは、その喜びで床に倒れながら「言葉にならないよ。作品を通じて、こういった場所や、人生や、美しいものを分かち合っているような、なんというか愛情が溢れる気持ち。なんか信じられる宗教が出来た!みたいな」と、日本のファンの熱狂的なコミュニティに大感動の様子だ。第二作の制作について「一作目の公開後に僕もユッカ(共同監督)も別作品の脚本にかかっていたんだけど、『ファンのみんなから二作目を求める声が出てるけど、どうだい?』とプロデューサーから声が掛かって。無理だろうと思っていたんだけど、ファンの皆さんの声があって出来た二作目です」と回想した。
第一作目ではノルウェーのノーザン・ダムネーションに参加する珍道中を描いたが、今回はドイツのヴァッケン・オープン・エアへの旅を描く。スケールアップした本作は、日本からBABYMETALが参加。昔からBABYMETALの大ファンだったという監督は「元々のアイディアとしては、メタル原理主義的なクシュトラックスがとても認められないような、でもちょっと好きになってしまうようなバンドを出そうと思っていて、脚本段階では“BABYMETALみたいなバンド”と書いていたんだ。まさか出演してもらえるなんて思わないしね」と、願望としての脚本だったと吐露。だが「プロデューサー陣がアプローチしてくれて、まさか出演してくれるなんてね。大忙しのなか、僕らが撮影をしているリトアニアまで来てくれて、彼女たちの貴重なフリーな時間のはずだった4日間を自分たちの撮影に割くことになってしまって、ちょっと申し訳ない気持ちにもなった」と、喜びと共に謙虚な言葉が。BABYMETALについて聞かれたクシュトラックスは「新しいバンドを聴く時には、何度も聞いてそのバンドの良さを分かるということがある。何度も聴いて、いまBABYMETALは僕の中のランキングでは4位だ。フォースト・ヴォミット(=強制ゲロ)の次くらいかな」と、劇中のクシュトラックスそのままで回答。
映画冒頭でノルウェーの刑務所から脱獄したインペイルド・レクタム。「脱獄で最も大変だったことは?」という、無茶ブリが司会から。「刑務所にサウナもあるしごはんは美味しいし、実はそんなに脱獄したくなかったんだよね」とオウラ。刑務所内で図書館司書をしていたクシュトラックスは「人生をかけて集めた刑務所一のメタルコレクションライブラリーを置いて出てくることになった。心残りだ…」と残念そう。予告編でもある通り、キーカードを飲み込んだロットヴォネンは「まだ腹の中にある」と神妙な面持ち。
日本のフジロックへの出演についてリクエストの声が上がると、「クシュトラックスが検討すると言っている」と劇中そのもののバンドコミュニケーションで回答。さらに新曲のリリースの予定については「そのつもりはあるけど、僕たちまだ刑期が残ってるからさ、まあ待っていてくれ…その前に、一週間前にこのドキュメンタリー(本作のこと)のサウンドトラックが発売したって聞いてるよ。超商業主義プロデューサー・フィストのアレンジも入ってるからエレクトロニック・ロックが好きな人はそっちも聴いてみて」と、ちゃっかり宣伝までする余裕も。
監督はプライベートで日本に来たことはあるものの、キャスト含め映画での来日は初。今回の日本滞在についても「実は日本文化や日本食など日本にインスパイアされたくて来たっていうのもあるんだ。第三作のことも実は想定していて、日本で撮れたらいいなって思ってるし、なんなら皆さんにも出演してもらうのもいいかもね!」と、なんと次回作についても既に構想していることを発表。
この330席が10分で完売となったヘヴィ・トリッパーが大集合した満席の上映について聞かれた監督は「本当に言葉が無い。世界中で色々な上映を見てきたけど、こんなに狂った上映は初めてだ!何度も言うけど日本のファンは本当に最高!」と、感慨深く語った。そして最後に、この“ヘヴィ・トリッパー”ムーブメントに最大に貢献してくれた人として、今回司会もしているシネマート新宿の宮森覚太さんの名前を挙げ「彼の力無くしては実現しなかったであろう、この盛り上がり。ヘヴィ・トリッパーの父に、最大の感謝を捧げる」と跪いて感謝を表した。観客席からも宮森氏の愛称でもある「ミヤモーリー!ミヤモーリー!」と声援が送られた。
観客たちやヘヴィ・トリッパーたちとの撮影を終え、インペイルド・レクタムの面々が急遽、オケをバックにエアギター、エアドラム、エアベース、トゥロはリップシンクで劇中の曲を演奏し、満員のライブハウスさながらの大歓声のなか初日舞台挨拶の幕を閉じた。映画『ヘヴィ・トリップII/俺たち北欧メタル危機一発!』は12月20日(金)よりシネマート新宿ほかにて大好評ロードショー。
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『ヘヴィ・トリップII/俺たち北欧メタル危機一発!』2024年12月20日(金)より東京 シネマート新宿ほかにて屈辱のロードショー!
heavytrip-2.com配給: SPACE SHOWER FILMS