米シアトル出身のシンガー・ソングライター、マイク・ハドレアスのソロ・プロジェクトであるパフューム・ジーニアス（Perfume Genius）が、通算7枚目となる最新アルバム『Glory』を3月28日（金）にマタドール・レコードよりリリース。あわせて、新曲「It's a Mirror」をミュージック・ビデオとともに公開しています。

　「It's a Mirror」は、Pitchforkの「Best New Music」を早くも獲得。MVの監督は、パフューム・ジーニアスのこれまでのキャリアの中でも指折りの人気曲「Queen」をはじめ、カイリー・ミノーグやイヴ・トゥモア、ヤー・ヤー・ヤーズなども手掛けるコーディー・クリッチローが担当しています。

　アルバム『Glory』は、音楽史に名を刻むアーティストたちが集結し、歴史に残るコラボレーションを実現した作品。パフューム・ジーニアスが長年タッグを組んできたグラミー賞受賞プロデューサーのブレイク・ミルズ、キーボード兼共同制作者のアラン・ワイフルスに加え、これまでツアーやスタジオでともに活動してきたミュージシャンたちを再び迎えました。

　ジョン・レノン、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターらビートルズのメンバーやローリング・ストーンズのレコーディングに参加し、エリック・クラプトンやボブ・ディランとも共演したことのあるジム・ケルトナーをはじめ、バック・ミーク（ビッグ・シーフ）のバンドメンバーでもあるドラマーのティム・カー、ケヴィン・モービーの元バンド・メンバーであり、ハンド・ハビッツとしても活動するギタリストのメグ・ダフィー、グレゴリー・ユールマン、スパークスやセイント・ヴィンセントの作品にも参加したベーシストのパット・ケリー、そして才媛シンガー・ソングライターのオルダス・ハーディングも特別参加しています。

　アルバムには、彼のキャリアを通して取り組んできたテーマ「身体とその崩壊、家庭生活と愛、逃れられない歴史と傷」が描かれてています。一方、苦難を越えた先で、過去に起きたすべてと向き合いながらも、静かで未知の場所で生きることを学ばなければならないという、新たな視点からも書かれた作品となっています。

　シアトル出身のマイク・ハドレアスは、2008年に音楽活動を開始し、2010年にデビュー・アルバム『Learning』をマタドールからリリース。このアルバムはメディアや批評家たち注目され、ハドレアスはその詩的表現だけでなく、緻密に練り上げられたヴォーカルで感情の脆さを伝える稀有な才能を持つアーティストとして知られるようになりました。その後、2012年には『Put Your Back N 2 It』をリリースし、さらにファン層を拡大。そして、クィア・アンセム「Queen」を収録した2014年のアルバム『Too Bright』は、ポーティス・ヘッドのエイドリアン・アトリーとの共同プロデュースで制作され、プロダクションや表現力において大きな進化を遂げています。

　2017年には、グラミー賞にノミネートされた『No Shape』を、2020年には、フィービー・ブリジャーズやピノ・パラディーノらが参加した『Set My Heart On Fire Immediately』をリリース。男らしさや伝統的な役割という概念を探求し、それを覆す内容となっており、明確にアメリカ的な音楽的影響を取り入れています。2022年には『Ugly Season』をリリースするなど、精力的に活動を続けているパフューム・ジーニアスによる最新作に期待が高まります。




Photo by Cody Critcheloe