米ニューヨークを拠点に活動するジャズサックス奏者・作曲家、
三富悠斗による2作目のリーダー・アルバム『Epicycle』が3月5日(水)にリリースされています。
前作のデビュー・アルバム『
Continuation』に引き続き、ピアノ、キー ボードに
泉川貴広、ベースにモト・フクシマが参加し、新たにドラム、パーカッションに
小川慶太が加わった、ニューヨークを拠点に様々なジャンルで活躍しているアーティスト達とのコラボレーション作品。
フリー・インプロビゼーションを基調に、アコース ティックとエレクトリックの両方のサウンドを取り入れ、新たなサウンドの構築を試みた意欲作。アルバム・タイトル『Epicycle』(エピサイクル)の由来は月、太陽、惑星の動きの速さや方向の変化を説明するための幾何学的モデルの用語であり、本アルバムのコンセプトとなる様々な音楽的背景、リズム、ハーモニーが有機的につながり合い、ある種のデザインのように発展するサウンドとイメージが重なるところからアルバム・タイトルとなりました。
2019年に発表された前アルバム『Continuation』ではニューヨークのコンテンポラリー・テイストをふんだんに取り入れたフレッシュで新しいサウンドが印象的な作品と評されましたが、今作もそのテイストを残しつつ、さらに即興的で挑戦的なアンサンブルと、ジャンルにとらわれない、複合的なリズムや音色が特徴的な作品に仕上がっています。本アルバムは、5つの三富悠斗作曲のオリジナル曲と3つのフリー・インプロヴィゼー ションで構成されており、1曲目「Morning Haze」、5曲目「Grappling Cats」、6曲目「Moony Night」は、全てその場で即興で演奏されたものが収録されています。
2曲目の「Dew」は即興とは少し離れ、綿密に構成された変拍子のリズムとハーモニーの中で朗々とテナーサックスがメロディを歌うミディアム・テンポの曲調。続いてアルバム・タイトルでもある「Epicycle」が3曲目、4曲目と二部構成となっており、Part Iはテンポのない中から1つのテーマが始まり、徐々に音が重なり合いながら発展していき、Part IIになると複数の異なるテンポがクロスオーバーする構成となっています。
7曲目「Spline」はエレクトリカルなサウンドの中で自由なソプラノサックスのソロが収録されており、タイトルの由来でもあるスプライン曲線のように滑らかで連続的な曲線を彷彿とさせます。最後の収録曲「Same Sky, Same Night」は、ロック調のリズムとクラシカルなコラール・ハーモニーを組み合わせたバラードでアルバムの最後を飾ります。