映画『オレンジ・ランプ』の上映会が、2023年10月の開始以来1,000回を突破し、累計動員数は11万人を超えました。延べ1,000組の全国の主催者の方々は、「安心して認知症になれるまち」を目指し、上映会を通じて地域の理解を深め、支援の輪を広げています。現在も新たな主催者が加わり、その取り組みは各地で広がり続けています。
そしてこのたび、待望の第2弾となる映画『忘れじのしおり』(仮題)の製作が決定しました。
映画『オレンジ・ランプ』は、
貫地谷しほりと
和田正人がダブル主演し、39歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断された丹野智文さんの実話をもとに描かれた作品です。2023年の劇場公開後、自治体、当事者団体、学校、企業など多様な主催者のもとで市民上映会が開催され、「認知症のイメージが180度変わった」「今までにない明るく前向きな認知症の映画」「子どもや若い世代にぜひ観てほしい」といった感動の声が全国から寄せられています。その影響力は現在も拡大し続け、最終的には3,000回以上の上映会開催を見込んでいます。
映画『オレンジ・ランプ』に続く新作『忘れじのしおり』(仮題)は、41歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断された山中しのぶさん(高知県在住)をメインのモデルに、認知症とともに生きる彼女とその家族や仲間たちの明るく前向きな姿を描く作品です。山中さんの物語に加え、多くの認知症のご本人たちのエピソードや言葉も取り入れ、彼らのリアルな想いや経験を通じて、「認知症とともに生きること」の意味を伝えていきます。
本作には、前作のモデルである丹野智文さんも企画協力として参加。企画・プロデュースは、『ケアニン』シリーズや『ぼくが生きてる、ふたつの世界』を手がけた
山国秀幸が務め、『オレンジ・ランプ』に続き、原作を担当します。前作同様、多くの認知症のご本人を取材し、そのリアルな声をもとに制作されます。「日本認知症本人ワーキンググループ」「認知症の人と家族の会」の協力のもと、2026年中の公開を目指します。なお、スタッフやキャストについては、決定次第、順次発表されます。
また、『オレンジ・ランプ』の新たな取り組みとして、自治体向けの「サブスクリプション上映料」の導入を開始しました。これは、多くの住民や子どもたちに『オレンジ・ランプ』を観てもらいたいが、上映毎の予算確保が難しい、という自治体の要望に応えた新たな上映料モデルです。サブスクリプション型料金を導入することで、何度でも少人数でも上映会の開催が可能となり、すでに複数の自治体での導入が決定しています。
[丹野智文さんメッセージ]1,000回突破おめでとうございます。多くの人達に感謝しています。私も約90回見ていますが、毎回涙が止まりません。それだけ真実に基づいて作られた作品なのです。一歩踏み出すとほんとうに優しい社会があります。これからも多くの人達に見てもらいたい映画です。
今まで私は、目の前の不安をもった当事者が笑顔になるようにピアサポートをしてきました。その中の1人が山中しのぶさんです。2019年2月、一通のメッセンジャーが届きました。「今の自分が嫌いです」この言葉からはじまって今、笑顔で前向きなしのぶさんへと変化!この映画で、環境や出会いで笑顔に変わる事を知ってもらえたらうれしいです。[山中しのぶさんメッセージ]高知県の山中しのぶです。認知症と診断された当時、絶望の淵から引き上げてくれたのは、まず丹野さんの存在でした。そして、その後、多くの当事者との出会いを通じて、「一人じゃない」と思えるようになりました。人生はいつでも、何度でもやり直せる。今はそう確信しています。
今後、映画製作に関する取材にご協力いただける方や、協賛・クラウドファンディングのご支援をお願いする予定でございます。最新情報につきましても、ぜひご期待くださいませ。