ポルノグラフィティが、NHK広島『被爆80年プロジェクト わたしが、つなぐ。』テーマ・ソング「言伝 ―ことづて―」を4月11日(金)に配信リリース。
被爆された方や原爆の悲惨さに向き合い、その経験や想いをつなぐ体験をされている方々に直接会い、話を聞き想いを受け取りながら、ポルノグラフィティとして初となる詞先で制作された本楽曲。原爆が投下された、僅か3日後に走ったという路面電車「一番電車」をモチーフに
新藤晴一が作詞、またその歌詞を見て歌に込めるのは「祈り」や「願い」だと感じた
岡野昭仁が作曲しました。ポルノグラフィティが「わたしが、つなぐ。」というテーマに真摯に向き合い制作した「言伝 ―ことづて―」。平和や未来について、少しでも考えるきっかけになることを願ってやまない楽曲となっています。
また、制作の裏側に密着した番組、NHK広島 コネクト『未来への言伝 ―ことづて― ポルノグラフィティが、“歌”でつなぐ。』が4月11日にオンエア。これまでNHK広島『お好みワイドひろしま』特集シリーズ“ポルノグラフィティが、つなぐ。”の中で、制作過程に密着した様子は放送されてきましたが、今回「コネクト」で描かれるのは、今までの放送で届けきれなかった“創作の核心部”について。新藤晴一が歌詞を書き上げる決め手となったある被爆者との対話、そして最後まで試行錯誤するレコーディング中の密着映像など、楽曲制作の過程には一体何があったのか?メンバーは何に葛藤し、何を届けようと苦心したのか。さらに、「言伝 ーことづてー」をフル・コーラスで、新藤晴一の直筆の歌詞とともに届けます。
タイトルの言葉の意味と、タイトルに込めた真意に思いを巡らす25分。楽曲とともに、是非チェックしてください。
[コメント]今回は難しいテーマでした。絶対に平和であった方がいいし、ましてや戦争なんて絶対ない方がいい。それをどう歌で表現するかというのは本当に難しいことでした。
正直なところ、NHKのプロジェクトに関わるまでは、僕たちが歌っても何も変わらないんじゃないかと思っていましたが、去年の夏に広島で平和を呼びかける活動をする人たちに会って心が動きました。知ることがすごく大切だなと思いました。被爆のこと、核兵器のことを知れば知るほど、世界がどういうバランスでどういう情勢であったとしても、叫ばなきゃいけないことがあるんだと気づきました。
だから今回、歌い手として何を“つなぐ”ことができるだろうと考え、ボーカルレコーディングのときには、争い事が無くなる世界・平和な世界…そんな“夢”を信じて歌いました。そして、僕も含めて世界に向かって平和を叫んだ声の一つ一つは、「決して無力じゃない」ということを信じて歌いました。そうでないと、僕らの曲が嘘になると思ったからです。
どんな小さなことでもかまわないから、この曲が聴いてくれる人の心に伝わればいいなと願っています。――岡野昭仁「被爆80年」の曲のオファーをいただいた時、大袈裟に言えば広島県で生まれ育ち、この時代に音楽をしている自分たちの使命を感じました。
曲をつくるにあたってNHKから受け取ったのは「わたしが、つなぐ。」というテーマです。
実際に広島に赴き様々な方のお話をうかがいました。その中でわれわれの胸に浮かんだのは、この理不尽な爆弾を投下された後に生まれた“怒り”は今どうなっているのか、でした。もちろんこの先の未来へ曲で伝えていくものが怒りや憎しみであるべきではありません。しかし被爆をつなごうとするうちにいろんな矛盾を感じていました。この矛盾を直接的に表現してしまうとポップミュージックにはなり得ません。それでもこの矛盾があるからこそ、この曲、この歌詞に生々しさや温度が感じられるものになったのではないかと思います。
「言伝 ーことづてー」は、自分たちにとって大切な曲になったと思います。しかし、この曲とポルノグラフィティが平和を訴える中心になる必要はないと思います。伝えたいと思った人が、それぞれの形で表現してつないでいくことになれば、この曲がそのきっかけのひとつになれば、嬉しいです。――新藤晴一