2005年に公開した
山下敦弘監督の映画『
リンダ リンダ リンダ』。公開から20年経っても色あせるどころか、世界中にファンを増やし続ける珠玉の青春映画です。熱いファンの想いは海を越え、アメリカではティーンネイジャーの少女たちが本作にインスパイアされ、
ザ・リンダ・リンダズ(THE LINDA LINDAS)というバンドを結成、大きな話題となり、2022年の〈SUMMER SONIC〉ではステージで「リンダリンダ」を演奏する、という逆輸入現象までが起きました。
そんな『リンダ リンダ リンダ』が公開から20年の時を経て、4Kになって帰ってきます。8月22日(金)より、東京・新宿ピカデリー、シネクイントほか全国にて公開することが決定しました。
山下敦弘監督の初35mm作品『リンダ リンダ リンダ』。2005年の公開から20年の時を経て、4Kデジタルリマスター版としてあの青春の思い出が蘇ります。韓国のみならず、世界で活躍する俳優
ペ・ドゥナが歌う、たどたどしくも心に響く
ブルーハーツの名曲たちと、実際にドラムとギターに挑んだ
前田亜季と
香椎由宇のひたむきなたたずまいと、本職ミュージシャンながら演技初挑戦で女優たちと渡り合った
Base Ball Bearの
関根史織。この奇跡的なコンビネーションを最高の作品にまとめ上げた山下敦弘。バンドをやったことがなくても、なぜだか誰もの胸をグッとさせる最高の青春映画です。4Kデジタルリマスター版では、35mmフィルムの質感は残しながらも、細部をクリアにすることで、誰もが心に抱く青春の記憶がより一層鮮やかに胸に迫ります。
公開20周年を祝い、4K公開に合わせて、キャスト・監督からのコメントが到着。ひょんなことからバンドヴォーカルに抜擢され、3日間でブルーハーツをステージで歌うことになるソンを演じたペ・ドゥナは本作の撮影を「かけがえのない思い出」と振り返り、「私の20代の出演作品の中で一番好きな作品のひとつ」と語ります。ドラムの山田響子を演じた前田亜季は4K版を試写で観た感想を「懐かしさで胸がいっぱいになると同時に、新鮮に感じる不思議さ」と述べ、撮影時について「実際の高校生活よりも青春していた日々」と述懐。ギターの立花恵を演じた香椎由宇は「まるで本当の同級生のように部活(バンド練習)に励み、あんなに何かに一生懸命になれたことも、国も年齢も違えどあんなに毎日毎日ただただ笑えたのも、演技なのか演技じゃないのか錯覚するように撮影に臨めたことも、私にとっての宝物の時間」と熱く振り返ります。ベースの白河望を演じた関根史織は「どこへ行っても本当に色んな人たちから『あの映画大好きなんです』と言ってもらえます。こんなに嬉しいことはあまりない」と本作の影響を語ります。そして、当時28歳だった山下敦弘監督は「皆んながホント可愛い。監督しといてなんですが、自分にとって“奇跡の一本”だと思っています」と自身でも太鼓判を押します。
[コメント]映画『リンダ リンダ リンダ』が20周年を迎え、4K公開するとのこと、心よりお祝い申し上げます。
2004年の前橋での『リンダ リンダ リンダ』の撮影は、私にとって忘れられない大切な思い出です。韓国映画界だけで活動していた私にとって初めての海外作品でしたが、日本語も日本文化も不慣れな私は劇中の歌そのものだったように思います。
そんな私の友達になってくれた香椎さん、前田さん、関根さんと撮影しながら感じたその暖かさは今でも心に残っています。
『リンダ リンダ リンダ』は、個人的にも、私の20代の出演作品の中で一番好きな作品のひとつであり、とても誇らしい作品です。「歌ができなくてもいい、日本語ができなくてもいい」とラブコールを送ってくださった山下敦弘監督に改めて感謝します。
おかげで、こんな貴重で素晴らしい作品の中に私の20代が収められました。
改めて20周年おめでとうございます。――ペ・ドゥナ20周年おめでとうございます。大好きな作品が再び4Kで上映されること、本当に嬉しく、私自身もとても楽しみです。
試写で久しぶりにスクリーンで見て、懐かしさで胸がいっぱいになると同時に、新鮮に感じる不思議さ。
泊まり込みでみんなで通った現場や撮影合間の出来事、部室でした楽器練習、色んなことが思い出されて、素敵な記憶として私に刻み込まれてるのだな、と思います。
実際の高校生活よりも青春していた日々。校舎のカットがいま、胸にグッときます。
再びの方にも、新たにの方にも、ぜひ大きな画面で楽しんでいただけたらと思います。
一緒に楽しみましょう!――前田亜季この度は公開20周年おめでとうございます!
部活にしろ、遊びにしろ、何にしろ、何かに熱中することを少し恥ずかしいと思い込んでた10代、そんな時にこの作品の撮影がありました。
ドゥナさんを始め、前田さん、関根さんとは、まるで本当の同級生のように部活(バンド練習)に励み、あんなに何かに一生懸命になれたことも、国も年齢も違えどあんなに毎日毎日ただただ笑えたのも、演技なのか演技じゃないのか錯覚するように撮影に臨めたことも、私にとっての宝物の時間になりました。
そんな全てをしまいこんだ『リンダ リンダ リンダ』
今観ても愛おしく懐かしく、また、当時の自分を羨ましく思える作品です。
20年前に観た方も、今青春真っ只中な方にも、やっぱり観て欲しいと胸を張ってお届けしたい作品です。――香椎由宇撮影当時、わたしはまだ下北沢でライブし始めたばかりのバンドマンでした。
縁あって出演が決まったのですが、バンドマンとしてのキャリアも浅いわたしがいきなり出演して大丈夫なのか…そもそもあいつ演技できんのか?と恐らく周りの人たちを大変不安にさせたかと思います。
でもそんなわたしを、現場の誰1人バカにしたりせず、ほぼ自分のままでいられるような役に皆で仕立てあげて下さいました。
20年経った今もわたしはバンドをやっているのですが、どこへ行っても本当に色んな人たちから「あの映画大好きなんです」と言ってもらえます。
こんなに嬉しいことはあまりないです。
今回の4Kリマスターをきっかけにまた改めてたくさんの人に観ていただけたら嬉しいです。――関根史織(Base Ball Bear)『リンダ リンダ リンダ』という映画は、たぶんいろんな出会いとタイミングが上手く折り重なった映画なんだと思う。
“女子高生がブルーハーツのコピーバンドをする”
ただそれだけの物語なのに、あの頃の自分たちなりの欲望や衝動が滲み出ていて、内容はもちろん、作る側も青春ど真ん中にいたような気がします。
あと皆んながホント可愛い。
監督しといてなんですが、自分にとって“奇跡の一本”だと思っています。
4Kリマスターされた『リンダ リンダ リンダ』は当時の印象そのままにまた新しい感動を与えてくれると思います。是非スクリーンで楽しんでください。――山下敦弘監督©「リンダ リンダ リンダ」パートナーズ