あのときカウントアップで十字路の中心に向かい、Perfumeとまるで結婚を誓うかのような意思を示した3人が、今度は「25 24 23 ・・・」とカウントダウンで、新たな誓いを胸にそれぞれの道に向かい、やがて光の粒となった。三方に残ったのは煌めくドローンがかたどるあの3人の立体的なアイコン。追いかけるように「SEE YOU AT THE NEXT STAGE」といつもの文字が。いつかまた巡り来るその日まで、3人に幸あれとそこにいる誰もが祈ったに違いない。その愛に寄り添うように、3体のアイコンはいつまでも浮遊し続けていた。
デビュー20周年、結成25周年を迎えたPerfumeが、9月22日、23日、5年ぶり4度目となる東京ドーム公演「Perfume ZO/Z5 Anniversary "ネビュラロマンス"-Episode TOKYO DOME-」を行った。デビュー記念日の9月21日には、「自分たちが胸を張って“輝いている”と思えるこの瞬間を刻むため、私たちは2026年からPerfumeを一度コールドスリープします」と発表。周年を祝う晴れやかな舞台を活動休止前最後のライブとしたのは、まさに「この瞬間を刻むため」だろう。この1年の動きを辿ってわかるのは、実にPerfumeらしい区切りのつけ方だったということ。
と、準備万端でいたら、聞こえてきたのは「もう一度あの日から始めよう」の声。1曲目は「GAME」だった。2020年の東京ドーム「“PCubed” in Dome」でも冒頭を飾ったが、コロナ禍で2日目が中止となり、多くの人にとって幻となった。演出・振付のMIKIKOとPerfumeによる二人三脚のライブ作りのいわば起点となった曲でもある。ソリッドな音とモノクロームのビビッドな映像、そして、ライトセイバーを持ったフォーメーション。Perfumeの原点とも言えるスタイリッシュさに胸が躍る。なるほど。「ネビュラロマンス後篇」と銘打たず、わざわざ「Episode TOKYO DOME」としたのは、物語の完結だけじゃなく、Perfumeのヒストリーも絡めた立体的なエンターテインメントにするためだったのか。
ここから「ARE YOU READY TO DANCE?」の文字で「PERFUME Z0/Z5 Reeeeemix」と名付けられたメドレーに。光の粒が転生した3人を象徴しているかのよう。『ネビュラロマンス』のユカ、アヤカ、アヤノは、あの物語のあと、平行宇宙のこの地球に降り立ったというわけか! 「ポリリズム」から始まるそこからの流れは、もうみんな大好きシリーズ。「edge」の「say yeah!」はドームが破けるかと思うほどのボリュームだったし、「『P.T.A.』のコーナー」の「かぼちゃ」、「ススキ」、「栗拾い」は、キタキターの涙モノの可笑しさ。メドレー最後の「MY COLOR」は、ワールド・ツアーで世界中の人々と繋がってきた曲。煌々と照らされた観客とPerfumeが、「手のひら」で体温を分かち合う光景は本当に素敵だった。