モノ(Japan) 2007/08/02掲載(Last Update:08/03/31 17:57)
本年もアメリカを中心に30を超える公演を行ない、精力的かつストイックに活動を続ける
MONO。ツアーとなれば連日ステージをこなし、驚異的と言うほかありません。そんな世界中にファンを増やし続けている彼らから、新たな作品が届けられます。2000年から今年にかけてリリースされたアルバム未収録のEPやスプリット、コンピレーション収録作品を集めたCD
『Gone』(HHR-45 \2,500(税込))と、バンド初の映像作品となるドキュメント・フィルムDVD
『The Sky Remains The Same As Ever』(HHR-46 \3,800(税込))。9月11日、同時発売です。
『Gone』に収録されているのは、3枚のEPと、PELICANとのスプリット12inch、コンピレーション・アルバム収録曲からの全10曲。「Hey, You. EP」は2001年に
ジョン・ゾーン主宰のレーベルTzadikより1stアルバム『Under The Pipal Tree』をリリースする以前、自身のForty-4 Recordsより1000枚のみのプレスでリリースされた1stCDEP。これまで再発されたことはなく、うれしい収録。メンバーは海外でもこのEPを探している人に出会ったとか。現在のMONOよりもノイジーですが、変わることのないMONOならではのものをすでに感じ取ることができる作品です。2005年にリリースされた
PELICANとのスプリット12inchは、結局CDヴァージョンが出ることはなかったので初CD化。CDを待っているうちに12inchが売切れになってしまい、悔し涙した方も多いのではないでしょうか。「Memorie Dal Futuro」はナンシー・ウィルソン(
ハート)の夫としても知られる映画監督
キャメロン・クロウ(
『初体験/リッジモント・ハイ』『あの頃ペニー・レインと』など)が主催するVinyl Filmsの10inchシリーズ、Lowに続く第3弾として2006年にリリースされた作品。こちらも初CD化。MONOのワールドワイド・リリースを手掛け、昨年からは
envyもレーベル・メイトとなったメリーランド発Temporary Residenceがカタログ・ナンバー100番を記念してリリースしたレーベル・コンピレーション『Thankful』から1曲。そして今年頭に2000枚限定でリリースされた「The Phoenix Tree」。本作品集のタイトルでもある「Gone」が収録され、アートワークを含めトータルで「広島」をテーマとした作品。それがネガティヴな表現ではないことは、MONOのファンならずとも伝わるであろう、バンドの重要作。
『The Sky Remains The Same As Ever』は数多くのアーティスト写真を手掛けるカメラマンTeppei氏がワンカメラで100本以上のテープ、60日間という時間をかけて制作した110分に及ぶドキュメンタリー映像作品。当初は写真集を作る予定だったという1人の人間から見たMONOを、生々しく伝えます。ライヴはもちろんのこと、ツアーの様子やバックステージ、バンドにとって欠かせない存在となった
スティーヴ・アルビニとのレコーディング風景までが収められ、MONOの歩みを追体験。この作品でも「広島」が登場。Teppei氏にとっても重要なタームである「広島」によってMONOとの関係により深みを与えています。『Gone』と強くリンクしたこの作品。理由のなき同時リリースではないのは間違いありません。
紛れもないロック・バンドでありながら、その表現の枠を粉砕するMONO。これまでの道程を辿った集大成とも言える2作品を、彼ら自身もターニング・ポイントとして捉えているようです。次作は2009年を予定しているとのことですので、この2作を楽しみながら生まれ変わったMONOを迎える準備をして待ちましょう。
●MONO
『Gone』CD(HHR-45 \2,500(税込))
01. Finlandia
02. Black Woods
03. Yearning
04. Memorie dal Futuro
05. Due foglie,una candela : il soffio del Vento
06. Since I've Been Waiting For You
07. Gone
08. Black Rain
09. Rainbow