これは、去年、USのみでリリースされたデビューEP『Don't Worry, Be Happy』に収録されていた4曲を新たにリマスタリングし直したうえに、さらに新曲「The Long Goodbye」を追加収録したもので、彼の出身地であるUKでは今作がデビュー作となる。ここで聴けるサウンドもJAMCとそう変わらないポップなメロディに激しいギターが絡むものとなっており、同じく中心メンバーの兄“ウィリアム・リード”がソロ・プロジェクト“LAZYCAME”で披露した重い歪んだノイズ・サウンドとは対照的なものになっているのが非常に面白い。これだけサウンドの嗜好も違うのではあれば、バンドも解散もいたしかなかったのかも。
・・・・・・などと思っていたら、なんとこの2人が再び協力し合う作品を制作することになったみたいだから、兄弟とは不思議なもの。とはいっても、JAMCが再結成するわけではなく、彼らの妹リンダ・リードが新たに始めたバンド“SISTER VANILLA”に全面協力する模様。気になるこのバンドの音なのですが、すでに先日日本先行で発売されたパステルズのスティーブンとカトリーナ主宰のレーベル“ジオグラフィック”のコンピ盤『YOU DON'T NEED DARKNESS TO DO WHAT YOU THINK RIGHT〜new geographic music』に「Pastel Blue」という曲を提供しているので、そこで聴くことが可能。JAMCやそれぞれのソロとはまったく違うアコースティックなサウンドにリンダの悲しく美しい声が絡むという、彼らの新しい魅力が発揮されたものになっているので、現在制作中だというアルバムは非常に期待できそうです。ところで、この“SISTER VANILLA”という名、どこかで聞いたことがあると思い調べてみたら、JAMCのラスト・アルバム『マンキ』(写真)のゲスト・ヴォーカルに“SISTER VANILLA”なる人物が参加していることを発見。これってたぶん妹のリンダ嬢のことなのでしょうね。みなさん気付いてましたか?