フレンチ・シアトリカル・ロック・アクトとして
アンジュと並び称され、“フランスの
ジェネシス”として日本に紹介された
モナ・リザ(Mona Lisa)。アクの強い演劇的なヴォーカルが特徴のドミニク(vo)在籍時の初期4タイトルが、2009年リマスターのSHM-CDで紙ジャケット化、11月25日に発売になります。
フランスらしいデカダンス、夢幻性を感じる演劇的な音楽性を持ったモナ・リザ。今回発売されるのは、1974年にリリースされたデビュー作
『脱出』(写真)、75年発表の2nd
『しかめっつら』、76年録音の3rd
『グレゴワール氏の小さなヴァイオリン』、発表後ドミニクが脱退、彼らのスタイルが極限を極めたといわれる
『限界世界』の4作品です。
もともとR&Bやブリティッシュ・ロック、ソウルを演奏していた彼ら。バンド・メンバーの変遷を経ながら
レッド・ツェッペリンや
ディープ・パープルのようなハード・ロックに傾倒していきますが、73年にオルレアンの劇団に音楽提供し始めてからシアトリカルなロックに目覚め、74年に『脱出』を発表。商業的には成功しなかったものの、可能性を求めた結果、長時間のライヴ・ショウを展開するようになり、照明、コスチュームなど視覚的要素に重点を置いたパフォーマンスを開始。そのショウを携えた最初のツアーをともにしたのがフループだったり、その後もライヴ・ツアーでは前半に「かもめのジョナサン」をテーマにした組曲を演奏し、後半に新譜の楽曲を披露するといった大胆な試みを行なうなど、シアトリカル・ロック・ファンなら見逃せない活動をしてきたバンドといえるでしょう。
シアトリカル・ロック/プログレッシヴ・ロック・ファンの間では、もっと評価されるべきバンドとしてもよく名前が挙がるモナ・リザ。演劇的でありながらどこか郷愁あふれる感覚は、まるで小さなサーカス小屋に迷い込んだよう。ヨーロッパ的なロマンティシズムを求める音楽ファンはこの機会に、聴いてみてはいかがでしょうか?