60年代中盤のアメリカにおけるフリー・ジャズ黎明期の巨人のひとりであるアルト・サックス奏者、
ノア・ハワード。彼が残した未発表曲を含む70年代の音源
『Patterns, Message to South Africa』(EXIP-0401 税込2,500円)が、国内盤として4月20日にリリースされます(海外では2005年発売)。
ノア・ハワードの録音は、ESPやFREEDOMといったレーベルからもリリースされてきましたが、70年代に渡欧してからの録音はほとんどといっていいほど日本に紹介されておらず、本作はハワードの空白の70年代を埋めるといえる貴重な録音。渡仏後にハワードが立ち上げた自主レーベル、alt saxよりリリースされた『Patterns』と未発表録音『Message to South Africa』を収録してのCD化となっています。
「Patterns」はオランダのラジオ局がハワードを招聘した際の録音で、
ハン・ベニンク(ds、perc)や
ミシャ・メンゲルベルク(p)といったオランダを代表する演奏家が参加。そして「Message to South Africa」は、アパルトヘイト時代の南アフリカ共和国の民権運動家スティーヴ・ビコが拷問死した週にパリで書かれ、60〜70年代に人種差別のあったアメリカから飛び出したアフロ・アメリカンの視点が投影された一曲。どちらもフリー・ジャズ史に残る、貴重で苛烈な記録となっています。