食道ガンの大手術を見事に乗り越え、8月1日に復帰会見を行なった指揮者、小澤征爾が総監督を務める＜サイトウ・キネン・フェスティバル松本＞がいよいよ開幕！ そして、昨年8月に行なわれた同イベントでライヴ収録された『ブリテン：戦争レクイエム』がいよいよ8月11日に発売。

　イギリスの作曲家、ベンジャミン・ブリテンによる「戦争レクイエム」は、ドイツの空爆によって破壊されたイギリス・コヴェントリー市の大聖堂再建を記念して、1962年に作曲。キリスト教の典礼にのっとったラテン語で歌われる式文の間に、英語の詩がはさまれるというユニークな作品で、英語詩では、イギリス軍兵士役のテノール歌手、ドイツ軍兵士役のバリトン歌手によって戦争の空しさや悲惨さが歌われます。

　小澤征爾は今までにも何度かこの作品を指揮していますが、＜サイトウ・キネン・フェスティバル松本2009＞での公演がついに実現、また念願の録音も行なわれることに。大編成のオーケストラ、合唱団に加え、兵士役の2人の男性歌手と室内オーケストラ、そして天上の声を歌うソプラノ、さらには児童合唱も加わる大規模な作品で、公演では、長野県松本文化会館のホール全体を使って演奏され、満員の聴衆を感動の渦に巻き込みました。　なお、この「戦争レクイエム」は、今年12月のサイトウ・キネン・オーケストラのニューヨーク・カーネギーホールでの公演曲目にも予定されています。

　今回発売されるCDはSHM-CD仕様となっており、この公演の模様を余すところなく収録。指揮者、ソリスト、合唱団、オーケストラが一体となった素晴らしい演奏を堪能できます。さらに、9月22日には初回限定盤としてSA-CD〜SHM仕様でもリリース。こちらはSA-CDというハイクオリティな音質をさらに高める新素材でプレスしたディスクで、ステレオ音源に加え5.0ch音声も収録。SA-CDプレイヤーとサラウンド・システムで再生することにより、迫真のライヴ演奏を会場の臨場感と共にお楽しみいただけます。

　そして9月1日には75歳の誕生日を迎える小澤征爾。それを記念し、同日には小澤征爾指揮の演奏を101曲収録した『小澤征爾ベスト101』、ウィーン・フィルとの全録音を集めた豪華ボックス『小澤征爾＆ウィーン・フィル コンプリート・レコーディングス』も登場。さらに、銀座山野楽器本店では記念パネル展を開催中、ユニバーサル ミュージックでは記念キャンペーンを実施中ですので、こちらもぜひ注目を。