今年も日本中、いや世界中の音楽ファンが集まった日本が世界に誇る二大音楽フェスティバル、<フジロックフェスティバル>と<サマーソニック>がともに大盛況のうちに終了しました。
7月30日〜8月1日に開催されたフジロックフェスティバルは、時折降雨に見舞われながらも、延べ125,000人を動員する大盛況ぶり。つねにマナーの向上をはかってきた当フェスらしく、今年は過去の13回に比べても家族連れの来場者が目立った上、外国からの参加者もいっそう増加。年齢や国境を超えて楽しめるフェスとして、さらなる前進をうかがわせる3日間となりました。
なかでも最大の動員だったのが、最終日のグリーン・ステージに登場したアトムス・フォー・ピース。
レディオヘッドの
トム・ヨークを中心に、
R.E.M.や
BECK、
エリオット・スミスのドラムを担当してきた名プレイヤー、
ジョーイ・ワロンカー、
レッド・ホット・チリ・ペッパーズの
フリーらで結成された当プロジェクトは、米国外では初パフォーマンスということもあり大きな期待が寄せられたなか、それをさらに上回るパフォーマンスを披露。トム・ヨークのソロ・アルバム
『イレイザー』の楽曲が、アルバム収録ヴァージョンからは比べ物にならないほどのレベル・アップを遂げて演奏されました。
そのほか、38年ぶりの日本公演となった
ジョン・フォガティ(2日目)が、「雨を見たかい」で往年のファンの涙を誘えば、
デイヴ・グロールと
ジョン・ポール・ジョーンズ、
ジョシュ・オムによるスーパー・ユニット、
ゼム・クルックド・ヴァルチャーズ(1日目)が雷鳴にも優る爆音で圧倒、そして新作『Write About Love』が10月にリリースになる
ベル・アンド・セバスチャン(3日目)がしんみりと温かい空気を作れば、
!!!(1日目)と
シザー・シスターズ(3日目)が独自のゲイ風で会場をあっという間にダンスホールに。ジェイク・シアーズ(シザー・シスターズ)がブリーフ一丁になったところで、<フジロック'10>のメイン・ステージは幕を閉じました。
一方、8月7日と8日に開催された<サマーソニック>は、なんといっても、そのジャンルレスなラインナップが特徴に。あらゆる枠を越えて、すべての音楽ファンが集える、ある意味、音楽にとっての理想郷的な空間を生み出すことに成功しました。
中でもやはり格の違いを見せ付けたのが、大トリを務めた
スティーヴィー・ワンダー。数々の名曲を連発し、若いファンから中年層のファンまでを夢中にさせるパフォーマンスには、大物の大物たるゆえんを実感させられました。
そのほか、涸れないアーティストぶりを見せ付けた
ピクシーズ(東京2日目)、相変わらずの人間離れした演奏技術でオーディエンスの度肝を抜いた
ドリーム・シアター(東京2日目)、独特の世界観で会場の空気を一瞬で異空間へと変えてしまった
ヨンシー、ビーチ・ステージ(東京2日目)で実現した
ヒルクライム〜
ファンキー・モンキー・ベイビーズの強力すぎる流れ、
スマッシング・パンプキンズと
ジェイ・Zの裏でさりげなく好パフォーマンスを披露した
イールズ(東京1日目)など、それぞれの音楽ファンがそれぞれの楽しみ方でその場を満喫できる空間となりました。
音楽の素晴らしさをあらためて知らせてくれるような場を提供してくれたフジロックとサマソニ。来年以降のさらなる発展にも期待が高まります!