不動の人気を誇るダンス・ミュージック、サンプリング界の鬼才
マシュー・ハーバート(Matthew Herbert)による3部作のプロジェクト“ワン”シリーズですが、4月にリリースされた第1弾『One One』に続く第2弾は、現代のクラブに焦点を当てた、その名も
『One Club』。
「現代のクラブからは政治的なパワーや人々のパワーなど、そこからは何も生まれてこない。私はそういったことをもう1度見直したいと思い、人々にマイクを付けたんだ」とハーバートは語っていますが、今作は音楽を通して現在のクラブの在り方に対する疑念を訴える意欲的な作品となっています。
ドイツのクラブに人を集め、そのオーディエンスたちや、クラブの中で起こるさまざまな音を元に、ハウス、ミニマル、変態ビートを制作。全楽曲のトラック名は、そのクラブにいて録音を協力した実在の人物の名前です。
バスドラムような音を得るために600人もの人々にビートボックスのように「ブッブッ」と言ってもらったのに予想外にスカスカな音になってしまい仕方なくキッチンにあった冷蔵庫の扉を閉める音を使ったりといったエピソードも。単なるダンス・ミュージックの枠には決して収まらない今回の『One Club』。じっくりと聴いてみたら、さまざまな発見があるのでは?
なお、2011年初頭にリリース予定の第3弾『One Pig』は、「一匹のブタの生涯」をサンプリングした音で作られた作品になるとのこと。こちらもお楽しみに!
※10月27日発売
『One Club(ワン・クラブ)』(HSE-30244 税込2,490円)
*日本流通盤はボーナス・トラック、本人による楽曲解説付き
[収録曲]
01.Robert Johnson
02.Jenny Neuroth
03.Alex Duwe
04.Oliver Bauer
05.Marcus Bujak
06.Marlies Hoeniges
07.Nicolas Ritter
08.Jalal Malekidoost
09.Rafik Dahhane
10.Kerstin Basler
11.The Making Of The Album (ボーナストラック)