トム・マクレー 2002/11/25掲載(Last Update:08/03/31 17:57)
2000年12月に『
生への癒し』なんて仰々しい邦題のアルバムにて日本デビューを飾った英国シンガー・ソングライターの
トム・マクリー。その憂いを帯びた歌声は、ときに憂いを帯び過ぎたあまりに、絶望的だったり閉塞的だったりにも聴こえ、癒されるどころか心にずっしりと何かが乗っかってくる感じになる時も。デビュー直後の彼は、スコット・ウォーカー、ニック・ドレイク、ジェフ・バックリィらを引き合いに評されておりましたが、その中でももっとも資質が近しいのが、マクリーがライヴ・デビューを飾ったライヴ・フェスを主宰していたスコット・ウォーカー。聴いているうちに、グイグイと言うよりは、スゥーッとゆっくり引き寄せられる感じと申しましょうか。そんな感じがウォーカーに及ばないまでも似ているかと。歌詞が持っているロマンティックな雰囲気も似ているのでは?
さて、そのマクリーの新作ですが、秋口に公式HPで発表していたとおり、2003年2月頃にはリリースされそうです。現時点でのタイトルは『Just Like Blood』で、マクリー曰く、そのなかの曲には“KARAOKE SOUL”と呼ばれている曲もあるのだとか。賑やかなイメージのKARAOKEと静謐なイメージのマクリーとがどうにも結びつきませんが、どんな曲なのでしょうね? たしかに、音が鳴っている箇所に負けないくらいに、意図的に鳴らしていない箇所の使い方も絶妙なミュージシャンなので、広い意味ではカラオケ的なシンガー・ソングライターとも呼べなくはないですが・・・・・・。聴けば、心の大波小波がいつしか穏やかになる人もいれば、あまりの静謐さに逆に不安を掻きたてられる人もいるであろう彼の作品。新作がリリースされるまではまだ間があるので、トム・マクリーを未聴の人はその前にちゃんと1stアルバムを聴いておきましょう!!(彼の公式HP内の
こちらでクリップ視聴が可能ですよ)
■トム・マクリーの公式HPは
こちら