いよいよ明日、3月5日(土)よりシネスイッチ銀座他にて公開される映画
『ショパン 愛と哀しみの旋律』。
ショパンの201回目の誕生日である3月1日に、TOKYO FMホールにて、ピアニストの
横山幸雄を迎えての演奏付きトークショーが行なわれました。
本作には、世界を代表するチェリストの
ヨーヨー・マ、
『戦場のピアニスト』の演奏で世界を涙させたポーランドのピアニスト、
ヤーヌシュ・オレイニチャク、そして日本からはショパン随一の名手であるピアニスト
横山幸雄ら世界最高峰の才能が楽曲を提供し、奇跡の競演が実現しました。
映画では、冒頭で流れる「革命のエチュード」などで横山の演奏が使用されており、この日も横山は同曲を演奏。観客は熱心に聴き入っていました。さらにトークショーでは自身とショパンについて語った横山。以下にその詳細をお伝えします。
「革命のエチュード」について、
「ポーランドはロシアに占領され、政治的にも苦しかったのですが、そのような場所でショパンは産まれ、20歳で、追われるようなかたちで祖国を離れ、父の祖国であるパリに向かいます。その道中、祖国ポーランドが、ロシアに対する革命をワルシャワで起こします。その革命は失敗に終わってしまいます。ウィーンにいたショパンは、祖国、家族、友達を想い、とてもつらかった状況のときに書かれたというのが、この<革命のエチュード>です」(横山、以下同)
映画を観た感想は?
「ショパンに関しては、どんな人で、どんな人生だったのかというのを200年前の文献や古ぼけた写真を見たりして調べていましたが、本作は史実に忠実に基づいて描かれています。今までのように文章だけだと霞がかかったようなイメージがありましたが、映画になると200年前も前のことですが、ショパンとジョルジュ・サンドとの生活をリアルに感じることができました」
ショパンも今日の横山さんのように400人規模の観客の前で演奏したりしていたのでしょうか?
「ショパンの作品を演奏するとき、自分の作品を演じるような感覚でいつも演奏しているので、ショパンという人をそれほど想像したことはないけれど、ショパンは、200人の人前で弾くのでは伝わらないといって、サロンで10人くらいの前で弾いたりしていたそうです。しかし、それでも多いといってサロンからお客さんが帰り、親しい人たちが5人くらいになった時に引き始めるという感じの人だったようです。ショパン像というのはそれぞれだと思いますが、映画だといろいろなショパンを想い描けるので良いと思います」
ショパンの魅力はどのようなところだと思いますか?
「ショパンは“ピアノの詩人”といわれる様に、リストのようなぐいぐい心に迫ってくる作風とは違っていて、詩の一遍のような、ショパンの心のうちにあるものをチラチラチラと囁く様な、自分だけのものと思わせるような作風なんです。非常にロマンチックなのだけれども、行き過ぎず、とても品格があるのがショパンの魅力だと思います。ピアニストとして言うのであれば、ピアノ曲だけしか作っていないのでショパンを独占できるという意味でもとても魅力的です」
■映画『ショパン 愛と哀しみの旋律』
3月5日(土)よりシネスイッチ銀座他にて公開
配給:ショウゲート
※詳細はオフィシャル・サイトへ
http://www.chopin-movie.com/