2010年に16年ぶりとなる新作『
アイム・ニュー・ヒア』をリリースし高い評価を得たアメリカの伝説的アーティスト、
ギル・スコット・ヘロン(Gil Scott-Heron)が、現地時間5月27日にニョーヨークの病院で死去しました。死因は明らかにされていないものの、ヨーロッパから帰国後に体調を崩したとのことです。享年62歳。
ギル・スコット・ヘロンは、1949年シカゴ生まれ。70年代から詩人 / ミュージシャンとしての活動を開始。痛烈な社会批判などを織り込んだメッセージは高い文学性をともなっており、“黒いディラン”などと形容されました。また、ソウルやジャズ、ファンクなどを融合させたサウンドにスポークンワードを乗せていくスタイルは、“ヒップホップ界のゴッドファーザー”と呼ばれるなど、後世へ与えた影響は計り知れません。
最近では、2010年に16年ぶりの新作『アイム・ニュー・ヒア』をリリースすると精力的なツアーを展開するなどその健在ぶりをアピールしていました。また、2011年には、前述の『アイム・ニュー・ヒア』をイギリスの若手人気グループ
The xxの
ジェイミーXXがリミックスした
『ウィ・アー・ニュー・ヒア』が発売されるなど、若い世代からのリスペクトも顕著でした。
ギル・スコット・ヘロンの突然の死去に対して、すでに
ゴーストフェイス・キラー、
スヌープ・ドッグ、
エミネム、
シーロー・グリーン、
レディオヘッドの
トム・ヨークらが哀悼の意を表明しています。
歴史に残る偉大なミュージシャンの死、謹んでご冥福をお祈りいたします。