“日本電子音楽の世界遺産”なる言葉にも納得、音響デザイナーとして知られる
大野松雄の『鉄腕アトム/音の世界』と並ぶ代表作にして1stソロ・アルバム、『そこに宇宙の果てを見た』(1978年)が12インチ・アナログ盤となって復刻。「エム・レコード」より発売されます(11月中旬発売予定/税込2,415円)。
本作は、大野が東宝レコードからの依頼で『惑星大戦争』のサントラを作っていた頃、ディレクターのひのきしんじ氏(四人囃子『一即触発』をプロデュースした人物)の提案によって実現したもので、大野にとって最初から“ソロ名義作品”として構想・着手された初の録音。
『そこに宇宙の果てを見た』の構想は“宇宙少年”だった大野の飽くなき宇宙(=生命)への興味とイメージを、最新の宇宙理論を取り込み音盤化するというもの。当時の最新シンセサイザーを何台も投入した上で、大野の真骨頂である神業のようなアナログテープ編集をもって仕上げられ、技術面においても当時の勢いにおいても、円熟の時期にあった大野の音響仕事の集大成とも言える作品に。
時代を超越した、その内容の凄まじさから、海外でもプログレ〜アシッドサイケ〜電子音楽の“幻の名盤”として知られ、オリジナルLPはほとんど入手不可能な本作。今回は、作者の意図であり本作の隠れたポイントでもある過激な位相・逆位相の動きに一切修正を加えずオリジナル・マスター版のまま再現。異様なサラウンド効果を体感出来るのはもちろん、曲間も途切れのないオリジナル・マスターそのままの状態を再現。
さらに、当時の作業工程で不幸にも混入してしまったハム音(ハム・ノイズ)の完全除去に成功しており、より音がクリアになっています。そしてジャケットは要望の高かった発表当時のオリジナル図版を用い、その上に今回はホログラム転写印刷の特殊加工を施した特別仕様! ぜひとも入手を。