パーヴォ・ヤルヴィ(Paavo Jarvi)率いるパリ管弦楽団が、全国5ヶ所でのツアーのため来日中。11月18日に都内で記者会見が開かれました。
今回は、音楽監督にヤルヴィを迎えてから初の来日となり、クラシック・ファンの注目度と期待値も膨らんでいます!
会見にはヤルヴィのほか、事務局長のブリュノー・アマール、芸術監督のディディエ・ド・コッティニーが登壇。最初にアマールより以下の挨拶がありました。
「パリ管弦楽団がはじめて日本を訪れたのは1976/77年シーズンのとき。以来、何度も来日していますが、今回のツアーにはふたつの特別な意味があります。ひとつは新たな音楽監督を迎えてからはじめての日本ツアーとなること。もうひとつは、震災のあった年に日本を訪れたことです。日本の皆さんとともに、音楽で祈りを届けたいと思います」 ドイツ・カンマーフィルなどとともに毎年のように日本を訪れているヤルヴィにとっても、今回のパリ管とのツアーは特別なものだそうです。
「これまでは主にドイツのレパートリーを日本で演奏してきましたが、今回のプログラムはフランスやロシアの作品ということで、これまでとは違う面を見ていただきたく思います」 数々のオーケストラの音楽監督を兼任するヤルヴィにとって、パリ管とはどういうオーケストラなのか、そして今後どういった方向を目指していくのか、ヤルヴィはこのように語ってくれました。
「パリ管はミュンシュによって創設されてからエッシェンバッハの時代に至るまで、輝くような音色と豊かな感情をもったオーケストラとして人々を魅了してきました。このエモーショナルな演奏こそ、パリ管の伝統でしょう。私は音楽監督としてこの伝統を大切にしつつ、慣習にとらわれることなく、同時に反対の側面も見ていきたいと考えています。
具体的には古典派やドイツのレパートリーを広げたい。ハイドンやモーツァルト、シューベルトやベートーヴェンなどをオーセンティックな解釈で演奏してみたいと思います。また、自分の出身地である北欧の作曲家、シベリウスのツィクルスや、ニールセンなどの作品も取り上げていくつもりです。
フランスのレパートリーについても、20世紀フランスの印象派や現代作品なども積極的に取り上げ、より多彩なプログラムにしていきたいと思います」 フランス国内でのヤルヴィへの評価と期待は、相当なもののようです。芸術監督コッティニーは次のように語りました。
「パリ管には、本当の意味でフランスの作品を振ることができる指揮者が必要不可欠です。今回のプログラムにも入っている〈幻想交響曲〉はそのなかでも格別。パリ管には作曲者ベルリオーズによる初演があり、ミュンシュによる伝説的名演があり……パリ管を相手に〈幻想〉を振るのはなかなか大変なことなのです。しかしヤルヴィの〈幻想〉はすごかった。演奏のあと、オーケストラの皆がポカンと口を開けているのです。それほど、ヤルヴィの〈幻想〉は自然でフレッシュなものでした。彼はフランスのレパートリーを振れる卓抜した指揮者です」 ソリストに
諏訪内晶子、
ダン・タイ・ソン、
ダヴィッド・フレイという豪華な顔ぶれを迎えて、日本ツアーは27日まで続きます。ご期待ください!
■パリ管弦楽団 2011年11月 来日ツアーパーヴォ・ヤルヴィ(指揮)
諏訪内晶子(vn)
ダン・タイ・ソン(p)
ダヴィッド・フレイ(p)
11月22日(火) 19:00 福岡・アクロス福岡
問:アクロス福岡チケットセンター [Tel]092-725-9112
11月23日(水・祝) 15:00 京都・京都コンサートホール
問:京都コンサートホール [Tel]075-711-3090
11月24日(木) 19:00 宮崎・宮崎県立芸術劇場(メディキット県民文化センター)アイザックスターンホール
問:宮崎県立芸術劇場チケットセンター [Tel]0985-28-7766
11月26日(土) 18:00 東京・サントリーホール
問:カジモト・イープラス [Tel]0570-06-9960
11月27日(日) 14:00 東京・サントリーホール
問:カジモト・イープラス [Tel]0570-06-9960
※詳細はKAJIMOTOのサイトまで。
http://www.kajimotomusic.com/左からブリュノー・アマール、パーヴォ・ヤルヴィ、ディディエ・ド・コッティニー