ザ・ビートルズ、
ウイングス、ソロと、長きにわたるキャリアの中で数多くの名曲と伝説を創りつづけてきたロック・レジェンド、
ポール・マッカートニー(Paul McCartney)。2012年は、ポールにとって生誕70周年(6月18日)、ビートルズでデビューして来年で50年(10月5日)という節目の年。さらなる注目が集まる中、待望のニュー・アルバム(タイトル未定)を2月上旬に発表することが、オフィシャル・サイトにて発表されました。
今回は、ポールにとって初のチャレンジとなる、古き良きアメリカのスタンダード・アルバム。なんと構想は20年以上とのこと! 「今やらなければ、もう絶対にやらないっていうような作品だよ」とポールが語るように、満を持して制作されたアルバムに。
収録曲はいまだ明かされていませんが、そのいくつかは、ポールが子供のころに家で父親の弾くピアノによって初めて聴いた曲であるとか……。今回取り上げたスタンダード曲について、ポールは自身の作曲と関連付け、「僕が曲を書くようになってわかったのは、それらスタンダード曲の構成がどれほど優れているかということだった。それで、それらの曲から多くのことを学ぼうと考えた。いつも心の中にあったのは、
フレッド・アステアのようなアーティストがとてもイカしていたことだった。それから、
ハロルド・アーレン、
コール・ポーターなど、彼らのような作曲家のことも忘れたことがない──彼らが作る曲は魔法そのものだった。それで、僕もそういう作曲家を目指すようになった。彼らのような美しい曲が書ける作曲家にね」とコメントしており、つまり、今回の新作は、アメリカのポピュラー音楽史上の偉大なソングライターへのオマージュ的要素を持っている模様。また嬉しいことに、新作には「マイ・ヴァレンタイン」「オンリー・アワ・ハーツ」というポールの書き下ろしの新曲も2曲収められています!
アルバムは、グラミーを幾度も獲得している米ポピュラー音楽界の大御所中の大御所、トピー・リピューマがプロデュース。演奏は、ジャズ界の女王
ダイアナ・クラール(ピアノ)が自身のバンドを率いて全面バックアップしており、ポールは楽器を演奏せずヴォーカルのみに専念している模様。今回のレコーディングに関してポールは、「とても自然にできた。ある種の本質を見た気分だ。このやり方はビートルズ時代のことを思い出させてくれた。当時は曲をスタジオに持ち込み、ちょっと試してみて、方向が決まると、こう言ったものだ。“オーケイ、いまから録音しよう”ってね。スタジオでライヴ録音していたようなものだ」と語っています。
アルバムには、
エリック・クラプトンと
スティーヴィー・ワンダーがゲスト参加。ロサンジェルスのキャピトル・スタジオをはじめ、ニューヨークとロンドンで2011年をかけてレコーディング。アルバム・タイトル及び収録曲目は近日公開予定とのことなので、続報をお楽しみに。
※2012年2月8日発売予定
●ポール・マッカートニー『タイトル未定』(Hear Music)
(UCCO-3038 税込2,600円)
※日本盤は高音質SHM-CD仕様