『あらかじめ失われた恋人たちよ』『原子力戦争 Lost Love』に続く、ATG(日本アート・シアター・ギルド)ライブラリー第2弾!
坂口安吾著×
曽根中生監督
『不連続殺人事件』(1977年)、
若松孝二監督が描くエロスの境地
『聖母観音大菩薩』(1977年)、
三島由紀夫著×
増村保造監督
『音楽』(1972年)、以上の3作品が初DVD化を果たし、3月14日に発売されます。全て、オリジナルネガからのHDテレシネ最新デジタルニューマスター仕様。
人間心理への鋭い洞察と見事なトリックで日本推理小説史上不滅の名作といわれる坂口安吾の同名小説を映画化した『不連続殺人事件』。監督は数々の異色ロマン・ポルノを発表し、他の追従を許さぬその独特な世界観で熱狂的なファンを抱えながら、約20年間の失踪の末に昨年突然その姿を現して話題となった伝説の監督、曽根中生。70年代に活躍したプログレ・バンド、
コスモスファクトリーによる不吉な音楽をはじめ、出演者たちの怪演、そして曽根監督ならではの不穏な空気……と、まさしく“異様”という言葉がふさわしい世紀の怪作。
巨匠・若松孝二監督が、『愛のコリーダ』(1976年)の
松田英子を主演にメガホンを握った異色官能映画。人間の永遠のテーマである生と死、そしして、本当のやさしさとは、思いやりとは、いたわりとは……と、人々が求めてやまない課題に挑み、若狭小浜の美しい自然を背景に描くファンタジー・ドラマでもあり。不老不死のわが身を嘆き、惜しげもなく男たちに精を吸いとらせる聖母のようなミステリアスな役柄を松田英子が熱演しており、当時新人の
浅野温子も初々しい姿を披露しています。
愛する男と接しても性的快感を得られない若い美貌の女性、いわゆる冷感症の症例に関する記録で、精神分析という世界観に対する根本的な疑問を自問自答しながら、女性の深層心理に潜む怖ろしい人間性の謎が暴き出されるまでを描いた三島由紀夫の小説『音楽』。小説の発表直後から様々なところで映画化が検討されながらも、その異常世界ゆえに実現しなかったものを、巨匠・増村監督が遂に映画化した意欲作!