2003/03/27掲載(Last Update:08/03/31 17:57)
トップはポリーニのベートーヴェンが維持。これにARTE NOVAのオペラ新譜が初登場2位と追い迫ります。ベッリーニ『清教徒』、指揮は“ARTE NOVAのオペラといえば”のクーン、作曲者生誕の地カターニアにあるマッシモ・ベッリーニ劇場とのライヴ録音――この歌劇場は2003年来日予定ということですから、CDを聴いて気になったら来日公演にも足を伸ばしてみては?
3位はNAXOS日本作曲家撰輯の武満徹、4位にラトルのベートーヴェン全集、どちらも先週に引き続き好調ですね。が6位以下はシューリヒト、ミケランジェリ、マタチッチ、
カザルス・・・・・・と、前世紀の錚々たる歴史的録音の復刻版がびっしり! ううん、クラシックのCDはやっぱり「録音の世紀」20世紀の偉大な足跡に真髄あり、なのか?
なかでも日本随一の復刻レーベル「Opus蔵」からのカザルスのバッハは要注目。EMIからも最近新しいリマスター盤が出たばかりですし、聴き比べが楽しみな方もいらっしゃるでしょう。ちなみにOpus蔵盤のライナーはバロック・チェロの
鈴木秀美氏が執筆しているというのが吃驚!
注目のバッハ盤は今週もう一個あり。19位の
ヘレヴェッヘ『バッハ:マタイ受難曲』旧録音ですが、これはharmonia mundi franceの新カタログ付きの再発盤。2002年にはフォーレの「レクイエム」を改訂版で新たに録音するなど着実に“次の段階”を踏んでいるヘレヴェッヘ、“マタイ”にもこれとは別の新録音があります。が、この1984年の録音も、まだ新進気鋭古楽指揮者だった彼の意気込みを感じさせる名演。もはや“20世紀の歴史的録音”に数えてもいいくらい?で、新世紀の巨匠の「初心」が凝縮されているといっても過言ではないでしょう――と、なんだか今週は古楽さえ「キーワードはやっぱりニジュッセイキ」だったのだった。