サイモン・ラトル(Simon Rattle)指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による注目の新録音
『ブルックナー:交響曲第9番(第4楽章付 / SPCM2012年補筆完成版)』が、5月9日に世界に先駆けて日本先行発売されます。日本盤のみSA-CDハイブリッド盤での嬉しいリリースです!
“未完成”と言えば
シューベルトの交響曲第9(8)番が有名ですが、
マーラーの交響曲第10番、そして
ブルックナーの交響曲第9番も未完成のまま残された作品です。
ラトルはマーラーの交響曲第10番をもっとも多く演奏している指揮者として知られていますが、1989年に完成した同曲の“クック版第3稿第2版”を、99年にベルリン・フィルと録音し、世界的なヒットとなりました。そのラトルが、今度はブルックナーの“未完成”に挑んだのです。
ブルックナーが亡くなったのは日曜日の午後。彼の死の知らせは、瞬く間に広まり、ブルックナー宅が封鎖される前に、多くの人が訪れました。そして、おびただしい数の自筆譜を“記念に”“想い出に”“おみやげに”と持ち去ってしまいました。
死の当日まで書き続けていた交響曲第9番第4楽章の楽譜も、そこに含まれていたのでした。
今回の録音は、サマーレ、フィリップス、コールス、マッツーカ編による演奏用完成版、2012年最終稿”をもとに演奏されています。録音が行なわれたのは2012年2月7日から9日ですが、楽譜が完成したのは、なんとその直前の2月1日! 25年もの歳月をかけて完成された最終稿からは、今まで誰も聴いたことのなかった音が響いているはずです。
ラトルは昨年来日した際の記者会見で、以下のようにコメントしています。
「この作品を、ブルックナーを自分たちの血、肉としているベルリン・フィルと一緒に演奏できることは大変意義のあることですし、さらにはこの演奏をコンサート会場に来た方々だけでなく、多くの聴衆の方々に聴いていただくべく、EMIが録音を決心してくださったことにも私は意義を感じています。」
日本盤は、ジュリアン・ホートンによる解説全訳と、木幡一誠氏による読み応え満点の解説付きです。