パーヴォ・ヤルヴィ(Paavo Jarvi)率いる
フランクフルト放送交響楽団が5月末〜6月初旬に来日。それに合わせて2枚のニュー・アルバム、
『ブルックナー:交響曲第5番』(SICC-10120 税込2,940円)と『ハンス・ロット:交響曲第1番』
(SICC-1537 税込2,520円)が、5月9日に同時リリースされます。
『ブルックナー:交響曲第5番』は、第7番、第9番に続くフランクフルト放送響とのブルックナー・チクルス第3弾。
ブルックナーの作品としては珍しく改訂の筆が執られず、全曲にわたって対位法を駆使し、音による伽藍を築き上げる作風はバロック風とも称され、とくに第4楽章の二重フーガの精密さはほかに類を見ないほどです。
知情意を兼ね備え、今もっとも勢いのあるパーヴォ・ヤルヴィが、この交響曲を新たな視点から解きほぐしてくれます。演奏時間はトータルで69分50秒と、70分台になることが多いこの大作としてはかなり速めのテンポ。また、交響曲第5番は2009年6月に行なわれたヨーロッパ・ツアーでも、ウィーンのムジークフェラインでの公演ほかで取り上げられ、“新たなブルックナー像の誕生”と絶賛を受けた演目でもあります。当アルバムは、そのツアー直前に彼らの本拠地であるフランクフルトのアルテ・オーパーで収録されたライヴ・レコーディングです。
一方の『ハンス・ロット:交響曲第1番』は、
マーラーのウィーン音楽院時代の友人であり、狂気のうちに26歳で夭逝したオーストリアの作曲家による大作。“ブルックナーとマーラーをつなぐミッシング・リンク”とも称され、19世紀末ウィーンに渦巻いていた後期ロマン派の爛熟を宿したこの作品において、パーヴォ・ヤルヴィが衝撃的な演奏を披露しています。
現在絶好調のフランクフルト放送響の豊かなソノリティを駆使して、作品に内包するドラマや軋みを緻密に、かつ劇的に描き出し、ロット受容史に新たな一歩を記す名演を成し遂げました。
カップリングは、当アルバムが世界初録音となるハンス・ロットの「管弦楽のための組曲 変ロ長調」です。