ニュース

佐村河内守の交響曲第1番「HIROSHIMA」がふたたび大ヒットを記録中

佐村河内守   2012/11/26 16:01掲載
はてなブックマークに追加
 昨年7月にリリースされた日本人作曲家、佐村河内守の交響曲第1番「HIROSHIMA」のアルバム(COCQ-84901)が、発売から1年半あまり経過した今、にわかに脚光を浴びています。

 Amazonの総合チャートで1位となり、iTunesの総合でTOP5にランクインするなど、クラシックでは異例のヒットとなっているこの曲、なぜ注目を集めているのでしょうか。

 作曲をした佐村河内守は、1963年、広島生まれの被爆2世。10歳の頃より作曲家を志し、ひところは映画『秋桜(コスモス)』の音楽や、ゲーム『鬼武者』『バイオハザード』の音楽を担当して名を馳せたものの、35歳になり、全聴覚を失うという悲劇に襲われました。

 作曲家にとって生命線である聴覚を失い絶望しながらも、闇の中で苦しみながら作り上げたのが、この交響曲第1番「HIROSHIMA」でした。演奏時間は80分を超え、さらに100人を超える大編成のオーケストラで演奏される巨大な交響曲。佐村河内が膨大な時間と体力を費やし、まさに命を賭して作り上げたこの曲は、発売当初からクラシック・ファンの間で大きな話題となっていました。

 そして、今年11月9日にNHK総合『情報LIVEただイマ!』で、佐村河内守の特集がオンエアされ、ふたたび話題を呼んでいます。その壮絶な作曲人生を追ったドキュメンタリーが、クラシック・ファンのみならず、普段クラシックになじみのない層にも強い感動を呼び、TwitterをはじめとするSNSで放送中から現在にいたるまで大反響。発売元の日本コロムビアには注文が殺到し、生産が追いつかない状態となっています。

 作曲家の苛烈な生き様が反映された交響曲が、多くの人々の共感と感動を呼ぶ。それは混迷を深めるこの時代だからこそ生まれた現象と言えるのかもしれません。今なお闇の中で音楽を生み出し続けている佐村河内守という作曲家、今後もますます注目を集めそうです。

■2011年7月20日(水)発売
『佐村河内守:交響曲第1番「HIROSHIMA」』
(COCQ-84901 税込2,940円)

[演奏]
大友直人指揮 東京交響楽
最新ニュース
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] 中国のプログレッシヴ・メタル・バンド 精神幻象(Mentism)、日本デビュー盤[インタビュー] シネマティックな115分のマインドトリップ 井出靖のリミックス・アルバム
[インタビュー] 人気ピアノYouTuberふたりによる ピアノ女子対談! 朝香智子×kiki ピアノ[インタビュー] ジャック・アントノフ   テイラー・スウィフト、サブリナ・カーペンターらを手がける人気プロデューサーに訊く
[インタビュー] 松井秀太郎  トランペットで歌うニューヨーク録音のアルバムが完成! 2025年にはホール・ツアーも[インタビュー] 90年代愛がとまらない! 平成リバイバルアーティストTnaka×短冊CD専門DJディスク百合おん
[インタビュー] ろう者の両親と、コーダの一人息子— 呉美保監督×吉沢亮のタッグによる “普遍的な家族の物語”[インタビュー] 田中彩子  デビュー10周年を迎え「これまでの私のベスト」な選曲のリサイタルを開催
[インタビュー] 宮本笑里  “ヴァイオリンで愛を奏でる”11年ぶりのベスト・アルバムを発表[インタビュー] YOYOKA    世界が注目する14歳のドラマーが語る、アメリカでの音楽活動と「Layfic Tone®」のヘッドフォン
[インタビュー] 松尾清憲 ソロ・デビュー40周年 めくるめくポップ・ワールド全開の新作[インタビュー] AATA  過去と現在の自分を全肯定してあげたい 10年間の集大成となる自信の一枚が完成
https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015