ブリアル 2012/12/14掲載(Last Update:13/11/08 22:28)
ダブステップを代表するレーベルのひとつとしてスタートしながらも、今や140bpmに囚われることのない自由かつ未来を見据えたダンス・ミュージックの発信源となっているフューチャー・レーベル「HYPERDUB」(
www.hyperdub.net)。主宰の
Kode9と共にレーベルのカラー、ひいてはダブステップそのものに対する印象にすら大きな影響を及ぼし、後続の音楽フィールドに漆黒の影を落とす存在。近代英国再重要アーティストと言っても過言ではない
BURIALが、新作『Truant』(写真)を緊急リリース! 国内盤(BRE-44 税込1,250円)が12月15日(土)に発売となります。
2006年衝撃のデビュー・セルフタイトル作、続く2007年の
『Untrue』で音楽史を塗り変えたBURIAL。世に姿を現して数年が経過した現在もヴェールに包まれた部分を数多く残す謎めいた存在感、圧倒的オリジナリティの世界観でダンス・ミュージックに留まることなく信奉者を増やし続けています。
『Street Halo / Kindred』EPに続きCDフォーマットでもリリースされる“怠学”と名付けられた作品。収録曲は「Truant」「Rough Sleeper」の2曲ですが、それぞれが10分強の大作、しかも3部構成の楽曲となっており、実質ミニ・アルバムのヴォリュームです。前作はダブステップ・フォーマットを越えようとする姿(登場時からすでに越えていた感もありますが)を見せたネクストレベル作となっていましたが、本作ではさらにBURIAL流アップデートを果たした楽曲を聴かせてくれます。ディープ過ぎるリヴァーブ&ディレイ、ゴーストリーなヴォイスサンプル、そしてメタリックなリズムワークとどこを切ってもBURIAL節でありながら、これまでの楽曲を表すキーワードとしてまず用いられることがなかったであろう“幸福感”が加味されたかの如き仕上がり。ことに「Rough Sleeper」においては、Kode9曰く“いつも雨が降っている”サウンドの雲間に陽の光が差しているかのよう。ビートレスでのロングトーンやポリリズミックな展開も駆使し、新たな世界を描写することに成功。ただし、タイトルや曲の終え方なども総合して想像するに、その世界はこれまで通り決してハッピーなものではないように思えます。
現代のサウンドトラックに相応しい作品を再び届けてくれたBURIAL。2013年の動向にも要注目です!
■2012年12月15日(土)発売
BURIAL
『Truant』
BRE-44 税込1,250円
[収録曲]
01. Truant
02. Rough Sleeper