2012年9月、82歳にして名門
ミュンヘン・フィルの音楽監督に就任した
ロリン・マゼール(Lorin Maazel)が同楽団を率いて今年4月に来日! それに合わせてニュー・アルバム
『ブルックナー:交響曲第3番』(SICC-1628 税込2,520円)が4月10日にリリースされます。
マゼールは昨年10月の
NHK交響楽団響定期公演でも来日し、4つのプログラムによる演奏会で名演を披露したのみならず、NHK Eテレの番組『らららクラシック』にゲスト出演するなど、圧倒的な存在感を見せつけたことも記憶に新しいところです。
マーラーの交響曲第9番でミュンヘン・フィルの音楽監督として最初のシーズンの開幕を飾ったマゼールが、その次の演奏会のメインで取り上げたのが、この
ブルックナーの交響曲第3番でした。今回のアルバムは、このコンビによる初の交響曲録音となります。
バロックからコンテンポラリーまで膨大なレパートリーを持つことで知られるマゼールですが、第0番を含むブルックナーの交響曲全10曲を1999年にバイエルン放送響とチクルス演奏しており、手中にしている作品群といえるでしょう。なかでも交響曲第3番は、マゼールにとって最初のブルックナーの交響曲録音となった作品であるのみならず(1967年、当時首席指揮者を務めていたベルリン放送交響楽団とコンサートホール・レーベルに録音)、ブルックナーの交響曲のなかでも頻繁に指揮している作品になります。
交響曲第3番は、ブルックナーの交響曲のなかでももっとも複雑な改訂歴を持つ作品で、ワーグナーに献呈した第1稿(1873年 / 2208小節)、交響曲第5番の後、1876年から77年にかけてに大幅に改訂された第2稿(2010小節)、そして1888年から89年にかけて最終的な改訂が行われた第3稿(1959小節)という3つの異稿が存在します。マゼールが使用しているのはもっともスタンダードな第3稿で、晩年のブルックナーの円熟の筆致による充実したオーケストレーション、最も凝縮された形式が光ります。
マゼールと、伝説の名匠
チェリビダッケに薫陶を受け、ブルックナー演奏の伝統を持つミュンヘン・フィル。2つの個性がぶつかりあった重厚・華麗なブルックナーを堪能できる一枚です。
※2013年4月10日(水)発売
ロリン・マゼール指揮ミュンヘンpo
『ブルックナー:交響曲第3番』(SICC-1628 税込2,520円)
[収録曲]
ブルックナー:交響曲第3番ニ短調WAB103
(1889年第3稿/ノ-ヴァク版)
[演奏者]
ロリン・マゼール指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
[録音]
2013年9月 ミュンヘン、フィルハーモニー・ガスタイク