デヴィッド・ベノワ 2003/08/08掲載(Last Update:08/03/31 17:57)
最近では
吉田美和のコンサートでバックを務めるために来日した
デヴィッド・ベノワ。70年代のフュージョン創生期から、実にユニークな作品をたくさん出していますが、実際に広く知られているのは86年に日本からの企画で実現した自身の再録音盤
『サマー』(写真)だったし、世界でも日本ほどデヴィッド・ベノワを聴いている国は無いのでは? 彼のリリシズムに溢れた美しいプレイは日本人に好まれるのでしょうか?
さて、そんなデヴィッド・ベノワのGRPでの最新作
『ライト・ヒア、ライト・ナウ』(UCCR-1036 \2,548(税込))が10月8日に日本先行発売で出ます! 久々の新作ですが、本作も日本で大歓迎されそうな内容になってます! ベノワと言えば、オリジナル曲にとても魅力があるのですが、今回はカバーが多く、これがなかなかどうして?素晴らしい選曲です。
まず、日本でも異例の大ヒットを記録した
ノラ・ジョーンズの「ドント・ノウ・ホワイ」。グラミー賞を受賞して、デビュー1枚目で大スターとなったノラのこの曲、すでに新しいジャズ・スタンダードとして定着した感じですが、なんと
ハロルド・メイバーンまで最新作でこの曲をプレイしていて、作曲した
ジェシー・ハリスが1番驚いているのでは?
他に
ハービー・ハンコックの名演で有名な
モンゴ・サンタマリア作「ウォーター・メロンマン」や、こちらもジャズメンが好んで取り上げる、ジェイムズ・テイラーのお馴染み「ドント・レット・ミー・ビー・ロンリー・トゥナイト」など、比較的新しいスタンダードが並んでいるのもベノワらしいですね。
バックは
ネーザン・イースト、
リック・ブラウン、ピーター・ホワイト等のベテランが顔を揃えています。ベノワのプレイは高原の湧き水のように美しく、心地よく、全く体に害が無さそうで、一歩間違えたらウィンダム・ヒルのようでもありますが、ほのかに香るファンキーなタッチが、こちら側に留めさせています。とにもかくにも、久々の新作、誰にでも楽しめる楽しい作品になっていますので、お楽しみに!