『エル・トポ』(1969年)、
『ホーリー・マウンテン』(1973年)、
『サンタ・サングレ / 聖なる血』(1989年)、9月に初ブルーレイ化を果たす以上の3作で世界中に熱狂的なファンを持つ、チリの映画作家
アレハンドロ・ホドロフスキー。今年84歳となる彼、実に23年ぶりとなる最新作『リアリティのダンス』が来年、日本で公開となることが決定しました。
先日終了した〈第66回カンヌ国際映画祭〉の監督週間でワールド・プレミア上映されたばかりの今作。上映前には、コンペティションに『オンリー・ゴッド・フォーギヴズ』を出品した彼の大ファンだという
ニコラス・ウィンディング・レフン監督がプレゼンターとして登壇し、ホドロフスキー監督を舞台へ招きました。
また、今年の監督週間では、ホドロフスキー監督の未完のSF大作(後に
デヴィッド・リンチ監督が『デューン / 砂の惑星』として完成)の製作過程を追い、レフン監督やH・R・ギーガーらが出演するドキュメンタリー『ホドロフスキーのデューン』も上映され、話題を集めました。
1990年の『The Rainbow Thief』(日本未公開)以来となる『リアリティのダンス』は、ホドロフスキー監督による自伝『リアリティのダンス』(文遊社刊)が原作。チリの田舎町を舞台に、権威的な父親、オペラを歌うように話す母親とその息子を中心とした家族の生活を、シュールレアリスティックなタッチや残酷さも交えながら描写。鮮やかな色彩と音楽に満ちた、まさにダンサブルな作品となっています。
ホドロフスキー監督は、カンヌでの取材で「おっぱいの大きな女性が出てくればフェリーニ的だと言われるし、小人が出てくればブニュエル的だ、フリークスが出てくればトッド・ブラウニング的だと言われるんだろう。しかし、私は映画史のどの監督にも似ていない。人々はあとになって“あぁこれぞホドロフスキー”と表現するけれど、私は成功するしないに関わらず、いつも新しいものを作り続けているつもりだ」と語っています。
※2014年公開
■『リアリティのダンス』
監督・脚本:アレハンドロ・ホドロフスキー
出演:ブロンティス・ホドロフスキー / パメラ・フローレス / クリストバル・ホドロフスキー / アダン・ホドロフスキー
音楽:アダン・ホドロフスキー
原作:アレハンドロ・ホドロフスキー『リアリティのダンス』(文遊社)
原題:La Danza de la Realidad(The Dance Of Reality)
2013年 / チリ・フランス / スペイン語 / 130分
配給:アップリンク