スウェーデン・ジャズを中心に扱う大人の音楽レーベル“Spice of Life”から、若きスター・ジャズメンを紹介する新しいシリーズ、“New Stars of Contemporary Jazz”がスタートしました。
その第一弾を飾るのが現在ニューヨークで若手No.1ドラマーとして大活躍をしている
ユリシス・オーウェンズ・ジュニア(Ulysses Owens Jr.)の最新アルバム
『オンワード・アンド・アップワード』(SOLNS-0001 2,400円 + 税)です。
ユリシスはフロリダ州ジャクソンビル出身。名門ジュリアード音楽院でジャズを学び、
パティ・オースティン、
テレンス・ブランチャード、
ベニー・ゴルソン、
ラッセル・マローン、
ウイントン・マルサリス、
マルグリュー・ミラー、
メイシオ・パーカー、
ニコラス・ペイトン、
ダイアン・リーヴス、そして
宮本貴奈など、多くの一流プレイヤーのサポートを経験、いまニューヨークで最も忙しいジャズ・ミュージシャンの一人です。2010年に
カート・エリングの
『Dedicated To You』、 2012年
クリスチャン・マクブライド・ビッグ・バンドの『The Good Feeling』で2回グラミー賞を受賞、近年ではグラミー賞受賞アーティスト、クリスチャン・マクブライド、
ニーナ・フリーロン、そして
テッド・ナッシュのツアーに参加しています。中でもクリスチャン・マクブライドの信頼は厚く、彼のトリオのメンバーとして最新アルバム『Out Here』にも参加し、2013年12月には来日公演も行ないました。
ユリシスはドラマー、作曲家、編曲家、プロデューサー、音楽教育者であり、ピアノ・トリオ、スモール・コンボ、ビッグ・バンド、歌手の伴奏、そしてニューオリンズ・スタイルからコンテンポラリー・ジャズにいたるまで、ドラマーとしては数少ないオールラウンド・プレイヤー。そのユリシス・オーウェンズ・ジュニアの第3作目に当たる本作品『オンワード・アンド・アップワード』はドラム・ソロを強要せず、アルバムを通して人間愛に溢れ、メロディの美しさ、サウンドの優しさ、インプロヴィゼーションの楽しさが凝縮されています。恵まれない若者達に夢を与えようとするNPO活動に積極的に参加している彼の人生観がアルバムに大きく反映されているといっても過言ではありません。
また本作は、ニューヨークを拠点にして活躍する有能な若手ジャズ・ミュージシャンを積極的に起用している点が注目されます。クリスチャン・マクブライド・トリオで共に活動する驚異的な若手ピアニスト、クリスチャン・サンズや女性テナー・サックス、クラリネット奏者として大いに注目を浴びる、
アナット・コーエン。さらにジェイソン・パーマーのトランペット、マイケル・ディーズのトロンボーンにジラッド・ヘクセルマンのギターなどなど、それぞれの個性が光る若手スター・プレイヤーが参加した豪華で楽しいアルバムとなっています。選曲も
ザ・スタイリスティックスや
マイケル・ジャクソンのヒット曲からウェイン・ショーターの作品などバラエティに富んだもので、2014年のスタートを飾る注目作品です!