全国順次公開中の映画『パリ、ただよう花』(監督:
ロウ・イエ)。パリと北京の2つの都市で居場所を求めてさまよう女を描き、大きな反響を呼んでいる本作の公開を記念し、ニュー・アルバム
『まぶしい』の発売を控える
曽我部恵一、現在ツアー中の
前野健太によるトーク・イベントが東京・渋谷「アップリンク」で行なわれました。
前作『スプリング・フィーバー』でロウ・イエ監督にハマり、ツアー・タイトルや曲まで作ってしまったという曽我部は、本作について「映像がすごく綺麗。2人で歩くシーンなど町の風景一つとっても大好きだった。僕はロウ・イエ監督の作品のどんな作品を観ても嫌いになることはない」。その一方、前野は今作で初めてロウ・イエ監督の映画を観たそうで、「映像はすごくきれいだった。だけど最初は観ていて、腹が立ってきてしまった。あまりにも衝撃で、その後インフルエンザにかかってしまったほど(笑)」と対照的でしたが、トークが進むにつれ、「あれ? それって実はすごく好きってことかも」(前野)と、意見を見直す場面も。
また、「僕は女っぽいから主人公の花(ホア)の気持ちがよく分かって感情移入してしまった。だからすごく切なかった。前野くんは“男性”性が強いからマチューの気持ちになってしまって、だからイライラするんだよ」(曽我部)と分析、すると「すごく腹立たしいということは、自分に近い物語なんだと思う」(前野)と、過去に主人公のような女性を好きになって苦い思い出をしたことを明かす。
終盤では、本作のテーマである“愛”の話に触れ、「“愛なんてただの言葉だろ”と前野くんが歌っているけど、本当にそうだよね。“愛”って、そこにそれぞれの思いを埋めようとする器なんじゃないのか。難しいよね。監督は、“本当の愛がもしあるのなら近寄ってみたい”というところで作っているんじゃないのかな。これが“愛”なんですよと提示するわけではなく、よく分かんないんだけど、それで良いんだと思う」(曽我部)と、想いを寄せました。