桜が満開となり、にぎわいを見せる上野公園で開催中の〈東京・春・音楽祭〉。有料・無料公演あわせて120以上の演奏会で春の訪れを彩ります。その音楽祭も、いよいよ残すところあと1週間となりました。
後半も趣向を凝らした演奏会が目白押し。最終公演までの主なラインナップを紹介します。
音楽祭では、毎年ワーグナーのオペラ作品を演奏会形式で上演する“東京春祭ワーグナー・シリーズ”を開催、今年から『ニーベルングの指環』を毎年1作品ずつ上演するリング・チクルスがスタートしました。
今年は序夜『ラインの黄金』を上演、5日に開催された初日は大盛況のうちに終了し、残すところ4月7日の公演のみとなります。
指揮をするのは名匠
マレク・ヤノフスキ。ヴォータン役のエギルス・シリンスやアルベリヒ役のトマス・コニエチュニーなど、マエストロと共演を重ね信頼を寄せる豪華歌手陣と、コンサートマスターに
ウィーン・フィルの
ライナーキュッヒルを迎えた
NHK交響楽団による舞台は、本場バイロイトに匹敵するほどのクオリティ間違いなしです! 当日券も若干あるようですので、ぜひ体験してみてはいかがでしょうか。
そして室内楽公演で注目なのは“
ブラームスの室内楽”(4月9日)。先月のミュージアム・コンサートも好評だったカウンターテナーの藤木大地が、
渡辺玲子(ヴァイオリン)、
川本嘉子(ヴィオラ)、
向山佳絵子(チェロ)、渡邉一正(ピアノ)という日本の音楽界を担う演奏家たちと共演します。
そのほか
ウィーン室内合奏団(4月10日)によるオール・ベートーヴェン・プログラムも聴き逃せません。
東京春祭ならではのミュージアム・コンサートでは、国立西洋美術館にて4月8日から開催される企画展“ジャック・カロ─リアリズムと奇想の劇場”の記念コンサートを開催(4月8日、9日)。美術館研究員によるお話、そしてその時代の音楽を一度に楽しめる貴重なコンサートです。
東京春祭では、歌の作品も数多く取り上げられています。“東京春祭歌曲シリーズ”ではソプラノのソフィー・ダヌマンと、日本でも人気の高いテノールの
イアン・ボストリッジが登場(4月12日)。海外では共演を重ねるダヌマンとボストリッジ、そしてピアノに
ジュリアス・ドレイクを迎え、シューマンの夕べを開催します。
そして音楽祭最終日は、
東京オペラシンガーズと
東京都交響楽団による管弦楽と合唱の名曲を集めたガラ・コンサートで締めくくります(4月13日)。
毎年“東京春祭ワーグナー・シリーズ”で見事な合唱を披露し、世界のマエストロから絶賛を受ける東京オペラシンガーズですが、今年は最終日にそのハーモニーを堪能することができます。10年目の最終日にふさわしく、
ヘンデルから始まり、
バッハ、
ハイドン、
ベートーヴェン、
ワーグナー、そして
マーラーまで、時代を追ってさまざまな祝祭感を表現する合唱の名作を、チェリビダッケの薫陶を受け、自国ルーマニアで圧倒的な支持を誇る名指揮者クリスティアン・マンデアルによる指揮で演奏します。
どの公演も音楽祭らしい祝祭感あふれるプログラムが並びます。春爛漫の上野で、春の訪れを祝う“東京・春・音楽祭”に出かけてみてはいかでしょう。
4月5日(土)東京春祭ワーグナー・シリーズ『ラインの黄金』公演より。(撮影:青柳聡)