8月10日(日)、東京・夢の島陸上競技場で野外フェス〈WORLD HAPPINESS 2014〉が開催。この日は台風11号が本土に接近、開演前は晴れ間すら見える天気模様でしたが、ちょうど1組目の
PUFFYがステージに登場した頃には雨が降り出し、豪雨状態に。ステージにも雨や風が吹き込み、髪や衣装もずぶ濡れになる劣悪な環境の中、PUFFYは前に立ち向かう根性パフォーマンスを披露! 続く
ねごとのステージではウソのように雨は止み、
真心ブラザーズがPUFFYの豪雨パフォーマンスを羨むMCをした途端に再び降り出し、
赤い公園では激しい雨と、きまぐれ過ぎる天候に悩まされながらもフェスは進行していく。
中盤には本フェスのキュレーターでもある
高橋幸宏が、昨年リリースしたアルバム『LIFE ANEW』のレコーディング・メンバーを中心に構成された“In Phase”と共に登場。“究極の晴れ男”という異名を持つだけに見事、雨がやむとパフォーマンスはスタート。壮大なスケールの中、ゆったりと進むサウンドは身体にじんわりと響いてくる。
続いてLEFT STAGEには4ピース・ロック・バンドの
ヒトリエ。圧倒的な熱量を披露すると、曇天の中、CENTER STAGEにはきゃりーぱみゅぱみゅ。総勢8人になるダンサーを従え、お馴染みのヒット曲を次々と歌い上げる。「2年前にはじめてここに出させてもらった時は、オトナの雰囲気がしてアウェーでした!」と当時の心境を告白すると、オーディエンスが暖かい声援をおくる一幕も!また、LEFT STAGEを飾った“シークレット・ゲスト”はお笑い芸人、ポカスカジャンの3人! 「ガリガリ君」のCMソングや音楽を絡めた持ちネタを繰り出し、場内を大爆笑の渦に包みこむ。
CENTER STAGEではワーハピ初登場の
くるり。どこかノスタルジックで退廃的な香りもする「ハヴェルカ」でスタートすると、「三日月」「Morning Paper」「WORLD'S END SUPERNOVA」と、その色で会場を染め上げる。9月にリリースされる最新作『THE PIER』収録「Liberty & Gravity」から、「東京」でステージを降りると、LEFT STAGEは、こちらも初参加の
cero。4人のサポート・メンバーを加えた大所帯で、懐かしく新しい東京発のシティ・ポップスを奏でる。
不安定な天候から周囲が暗くなり始めたころ、御大・
細野晴臣がステージに。ワーハピ第1回から欠かさず参加していますが、ソロ名義での出演はこれが初。最近のツアーにも同行している
高田 漣(g)、伊賀 航(b)、
伊藤大地(ds)、野村卓史(key)に加え、
はっぴいえんど時代からの盟友、
鈴木 茂(g)がゲストで参加する盤石のメンバーのもと、自身が愛してやまない往年のスタンダード曲のカヴァーや、アルバム『HoSoNoVa』『Heavenly Music』の楽曲などが広がっていく。
鈴木慶一と
KERAが昨年結成した新ユニット、
No Lie-Senseで折しも天候は再び暗転。この大粒の雨と強風をバックに、なんともシアトリカルなパフォーマンスとなりました。そしてCENTER STAGEのトリ前は結成25周年を迎えた
電気グルーヴ。
ピエール瀧が「本日のスペシャル・ゲストは台風11号です!」と叫び会場は興奮の坩堝と化す! 雨もいつしか晴れ雲間に大きな満月が見え隠れするほどに回復、「Denki's Techtropolis」など嬉しい選曲も。
奇妙礼太郎トラベルスイング楽団は「どばどばどかん」に始まり、
笠置シヅ子から
松田聖子のカヴァーと縦横無尽な雑種ぶりを発揮。奇妙礼太郎の自在に飛び回るヴォーカル、12人の大編成バンドが放つ豪快なサウンド、さながら昭和時代のキャバレー音楽のような世界を繰り広げる。
そして最後は本日2度目の出場となる高橋幸宏。In Phaseが生音を中心としたロックであるのに対し、METAFIVEは80年代のサウンドを忠実に再現する原理主義テクノ。「KEY」(『テクノデリック』)、「BALLET」(『BGM』)とYMOナンバーが続くと、9月6日より劇場公開される映画『攻殻機動隊ARISE border:4 Ghost Stands Alone』のエンディング・テーマも飛び出す。
アンコールからはスペシャル・ゲストとして細野晴臣と土屋昌巳が参加。このふたりが高橋幸宏とステージで共演するのは〈YUKIHIRO TAKHASHI TOUR'82 WHAT ME WORRY〉以来32年ぶり(幸宏が細野を紹介する際には「ひとり足りないけど……」との言葉も)。YMO「中国女」、「CUE」という豪華共演を堪能。全15組のアーティストが参加し、8時間以上に及んだ長い1日はフィナーレを迎えました!
(PHOTO:Taem LIGHTSOME 三浦憲治)