くるり 2014/09/22掲載(Last Update:15/01/06 10:50)
京都出身のロックバンド・
くるりが、地元京都で8回目の開催となる主催フェス〈京都音楽博覧会2014 in梅小路公園〉を9月21日(日)に開催しました。もはや日本全土で音楽文化として根強く定着しはじめている野外フェスですが、主要ターミナル駅(京都駅)から徒歩圏内という場所での開催は全国でも類を見ないもの。2007年、“地元・京都で新しい音楽の楽しみ方を提案したい”と考えていた
くるりが発起人となり、京都市内での大型野外フェスティバルとしてはじまったこのイベント、今年も大盛況のうち終了しました。以下当日の模様をレポート。
[京都音楽博覧会2014 レポート] 11:30から「サラーム海上の音楽遊覧飛行」と題し、音博にも通じるであろう、ワールドミュージックをラジオの公開放送風にサラーム海上が紹介。くるり
岸田も加わり、サラームとふたりでまったりとトークを行なう。
一番手としてパフォーマンスを披露したのは、アルゼンチンのバンドネオン奏者、トミ・レブレロ。ライヴはトミのヴォーカル&バンドネオン、サポートでバイオリンという編成でスタート、トミは途中からバンドネオンをギターに持ち替えてパフォーマンス。後半は衣装を脱ぎ捨て、上半身裸になり南米の熱さを見せつけるステージを展開した。
続けては2013年に日本公開された、
ジム・ジャームッシュの映画『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』でフィーチャーされ、世界中から注目を浴びたレバノン出身のシンガー、
ヤスミン・ハムダン。映画本編でも本人が歌うシーンが印象的だった「HAL」からスタート。日本語であいさつすると大きな歓声が上がった。
3組目に登場した
サム・リーはイングランドのトラヴェラーズ(漂泊民)の伝承歌を箏、三味線、口琴、シュルティ・ボックスなどの多国籍な楽器編成と融合させアートな音世界を披露。
そして、9月の後半ながらも暑い日差しが照りつける中、
tofubeatsがステージに登場。DJスタイルでフロアライクな楽曲を連発。自身が手掛けたくるりの「ロックンロール・ハネムーン(tofubeats remix)」もプレイされ、会場の雰囲気を熱く変えた。
15時すぎ、
椎名林檎がステージに登場! 今夏(秋)の野外フェス唯一の出演となる音博でも圧倒的な存在感を醸し出す。1曲目の「いろはにほへと」を演奏し終わった後、さらなるサプライズとして
石川さゆりが登場! ふたりの共演で会場の興奮はピークに。「カーネーション」「最果てが見たい」では石川さゆりがヴォーカルをとり、「名うての泥棒猫」では、ふたりでコラボレーションを披露。石川を送り出したのち、椎名は「丸の内サディスティック」「歌舞伎町の女王」「NIPPON」など圧巻のセットリストを披露。会場は大きな盛り上がりをみせる。
日差しのピークが過ぎた頃、
ペンギン・カフェがステージに登場。80年代、サブカルチャー / 環境音楽の旗手として一世を風靡したペンギンカフェ・オーケストラの意思を継いだ彼らは京都音博のコンセプトにも通ずる“架空の世界旅行”をさせてくれるかのような、素晴らしいステージを披露してくれた。
そして夕暮れ、トリを飾るくるりが登場。ライヴは、アルバム
『THE PIER』の1曲目に収録されている「2034」からスタート。くるりのメンバーは水色のシャツで揃えたスタイル。岸田はMCで、8年目を迎えた京都音博を支えてきてくれた沢山のお客さんへの感謝を語り、「今年の音博は本当に面白かった!」と満面の笑み。続けて、すでに話題の楽曲「Liberty&Gravity」などを披露。2011年に京都に戻ってきて、昨年末に東京へ引っ越し、2度目の上京をしたということを交えながら「音博ではあんまりやってないんですが」という「東京」で本編を終了。鳴り止まぬアンコールで再度ステージに登場し、「There is(always light)」を披露、改めてお客さんへの感謝の気持ちを込めて、最後の曲は音博といえばの「宿はなし」。大きな拍手と歓声で大盛況で今年の京都音楽博覧会は終了した。
(撮影: 久保憲司)