ウィルコ 2004/02/19掲載(Last Update:08/03/31 17:57)
2002年発表作
『ヤンキー・ホテル・フォックストロット』(写真)以来となる
ウィルコの通算5作目となる新作が、どうやら6月8日にリリースされることが決まったようだ。前作『ヤンキー〜』は、当時所属のレコード会社と揉めた末、出来あがっていたアルバムのマスター・テープを買い上げての移籍劇(5万ドルなり)へと発展し、ようやく発表されたが、今回は平穏無事(!?)にリスナーへと届けられそう(発売レーベルは前作と同じノンサッチ)。が、前作での
ジェイ・ベネットに続き、今回もアルバム発表目前にして
リロイ・バックが脱退したとの悲報が到着。『ヤンキー〜』で正式加入したバックだったが、バンドの中心人物にして風変わりな人物との噂もある
ジェフ・トゥイーディーとの共同作業は、やはり精神的にも重労働だったのか。アルバムを作るごとにメンバーが減り、最終的には“そして1人が残った”なんてことに・・・・・・なりそうだから怖いぞ、ウィルコ。
さて、ここからは前向きな話をば。待ち遠しい新作のタイトルは『A Ghost Is Born』で、すでにニューヨークでの録音を終えた彼らは、前作と同じアビイ・ロード・スタジオでのマスタリングへと作業を移行したようだ。前作でミックスなどを手がけ準メンバー級の存在感を放っていた
ジム・オルークは今回も参加しており、加えてボブ・ディランの『ラヴ・アンド・セフト』などを手がけているクリス・ショウもエンジニアとして名を連ねている。公式HPで発表された収録全12曲は、すでに彼らのライヴで披露されている曲が大半で、『ヤンキー〜』のオーストラリア盤に付いていた6曲入りボーナスEPの曲「Handshake Drugs」も含まれている(※このボーナスEPの音源は、彼らのHP経由で入手可能)。
ポップで内省的な作風の『ヤンキー〜』では、「レディオヘッドへのアメリカからの回答」なんて評価を得ただけでなく、ビルボート・チャートでも初登場13位を記録してみせ、古くからのファンを驚愕させてくれたウィルコ。デビュー時のカントリー・ロックから変化&進化し続ける彼らの行き着く先に注目しつつ、日本盤発売情報の到着も心待ちに。
なお2月25日には、ベーシストの
ジョン・スティラットによるサイド・プロジェクト
“オータム・ディフェンス”のアルバム『サークルズ』の
日本盤(TECI-24208\2,520(税込))が、“滋味盤好き洋楽ファンの良き理解者”インペリアルレコードから発売に!! こちらは昨年リリースされた輸入盤で入手済みの人も多かろうが、インペリアルレコード関係者の心意気とボーナス・トラック2曲収録の特典に応えるべく、マニアなら再度購入されたし。もちろん未聴の人にも、後期バーズの作品に通じる魅力を持った本作はオススメ。ウィルコからジェフ・トゥイーディー、そしてナッシュヴィルのポップ職人ブラッド・ジョーンズが客演の、郷愁誘う和み盤なり。