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BURRN!広瀬編集長&ANTHEM柴田直人が登壇、『ブラックモアの真実』出版記念トーク&サイン会開催

リッチー・ブラックモア   2014/11/19 15:24掲載
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BURRN!広瀬編集長&ANTHEM柴田直人が登壇、『ブラックモアの真実』出版記念トーク&サイン会開催
 リッチー・ブラックモア(Ritchie Blackmore)の真実を解き明かす一冊『ブラックモアの真実』(シンコーミュージック・エンタテイメント刊)の出版記念トーク&サイン会が11月15日(土)、タワーレコード渋谷店のイベントスペースで開催。満員の愛読者を前に、『BURRN!』誌・編集長の広瀬和生、ANTHEM柴田直人がリッチー・ブラックモアの魅力を語りました。

 まず『ブラックモアの真実』のきっかけや、柴田を招いた経緯について広瀬編集長から、「僕たちっていつも、リッチー・ブラックモアってヘンな人ですよね……って話をしてますよね、もちろん敬意を込めて、ですけど。あの人って、僕が『BURRN!』の編集長になって、自分で何度もインタビューするようになるまで、謎があまりに多かったんです。ヒストリーを書いてても、当時はわからないことがたくさんあった。そこで、いろいろなミュージシャンに直接僕が話を聞いて、謎を明らかにしていったインタビュー・シリーズを、ものスゴく愛読してくれたのが柴田さんでした」との説明が。

 かたや柴田はリッチーからの影響を、「僕は基本的にリッチーが作る音楽が大好きで、最初聴いたときに“なんだコレは?”って雷に打たれたようになって、そこから今の自分があるわけなんです」と語り、「いろんな文献その他を読むと、常に変わった人間だとか、インタビューも嫌い、気まぐれで……みたいなことが書かれているんですよね。でも、僕はずっとなんか違うような気がしてたんです。一般的には、すぐメンバーの首を切るとかってことばかり言われてきましたけど、実際にはユーモアもあるし、人間的にすごく豊かな人なんだろうなと思っていて。でも、誰もそこを掘り下げてくれなかったんです。いろんな角度で聞いた話を全部並べてみて“あ、本当はこうだったんだ”っていうのが見えてくるようなインタビューをされる方が、広瀬さんがやるまでは世界中に誰もいなかった」とのこと。

 本書はすでに第2弾も予定されているとのことで、「今回“なぜジョー・リン・ターナーは入ってないの?”という疑問もあると思いますが、彼は2月に出る『ブラックモアの真実2』に載りますし、イアン・ギランジョン・ロードとかも続編に載せる予定です。あと、グレン・ヒューズも今回はちょっとしか載せなかったんですけど、ホントはすごく長いインタビューがあるので、次が本領発揮だと思います」(広瀬)と、期待を煽る予告も。

ブラックモアの真実

 リッチー・ブラックモアとの信頼関係については、「インタビューした延べ時間も回数も、日本人だと多分、僕が一番多いんです。一番最初のインタビューは来日の時で、その時はちょっと雰囲気もよくなかった。よくリッチーって、ミステリアスな存在だって言われますけど、あれはスゴく演出をしてるんですね。僕が最初にインタビューした時はイベンターの方とかも部屋の中に大勢いて、僕も緊張してましたし、その後、何度もインタビューするようになってから、リッチーが“カズは最初に会った時は、ちょっとオーラが良くなかった。でも、その後、海外へインタビューしに来てくれた時には、すごく雰囲気が良くて、こうして親しくなってからはとてもオーラが良いので、気持ちよく喋れる”って言ってくれたんですよ」(広瀬)とコメント。

 さらに、「初めてニューヨークでインタビューした時に、リッチーのテストにパスしてたみたいなんですよ。彼ってインタビュアーを試すんですよ、わざと嘘を言ったり。そこで“それはないですよね”という反応をすると、“おっ、わかってるね”って感じになったりする。そういうのがいくつかあって。インタビューする時に大事なのは、好きだからって知ってることを全部言えばいいってもんじゃなくて、ちゃんと質問をしなきゃいけない。僕は常に“リッチーにはこれが聞きたい”というのがあって話をしていたというのがありましたから」(広瀬)とか。

 柴田はグレン・ヒューズへのインタビューの経験から、「その日は10件を超えるインタビューの一番最後で、グレン・ヒューズもだいぶ疲れてて、目的はソロ・アルバムのプロモーションなんですけど、僕が聞きたかったのはディープ・パープルの第三期のことばかりで……。時間を追うごとにグレン・ヒューズの機嫌が悪くなってきたんですよ(笑)。もちろん有名なアーティストの方ですから露骨には出ないんですけど、30分くらい経過して“もういいかな、ちょっと外に出るね”って言って出て行って、そのまま帰ってこなかった。それでインタビューは終わりになったんですけど、僕はずっと緊張してたんで、家に帰って緊張が解けた瞬間、気持ち悪くなって吐いちゃいました。だから、リッチーに会うと目の前で吐いてしまいそうで(笑)。絶対会えないです。もしくは倒れるんじゃないでしょうか。少なくとも、リッチー・ブラックモアにそういう印象を持たれるのはイヤなんで、会えないです(笑)」と語る。

 ディープ・パープル第三期メンバーについては、「次の『BURRN!』がデイヴィッド・カヴァデールの表紙巻頭なんです。デイヴィッドにインタビューしたんですけど“1984年のDVDの話しかしちゃいけない”って言われてたのに、自然とリッチー・ブラックモアやジョン・ロードの話になったんです。そうしたら、2012年にジョン・ロードが亡くなった時、初めて“人生は短い、変なことにこだわっていないでリッチー・ブラックモアと話そう”と思ってリッチーに電話したんですって。2012年にブラックモアズ・ナイトのライヴDVDが出た時、僕はリッチーに電話インタビューをしようとしたんです、そこで当時のEMIを通じて連絡をとってもらったら、マネージャーからあらかじめ質問を送ってくれって言われて。彼女曰く“ただし、デイヴィッド・カヴァデールのことは聞くな”と。実は、これは次の『BURRN!』にも載りますけど、デイヴィッドから“ジョンの追悼の意味で、第三期のメンバーでライヴをやらないか”って話がリッチーに来てたそうなんですよ。で、キーボードはキース・エマーソンがいいって」(広瀬)との話が飛び出す一幕も。

 さらに、メンバー交代にまつわる、半分本気、半分はギャグのようなリッチー・ブラックモアのエピソードの数々が披露され、その不可思議なこだわりや、天然ともいえる思考回路は、会場を笑いと驚きの声で包み込むほど。最後は、「本当に天才ですね。例えばジミー・ペイジって凄い人ですけど、まともな人ですよね、レッド・ツェッペリンの遺産というのを大事に考えているし、ファンに対してもこういう物を提供しようと考えてる。それこそキッスとかエアロスミスとかも自分たちのイメージって言うのを考えるじゃないですか。でもリッチー・ブラックモアっていう人は、それを全く考えることなく、自分の思う通りに生きていく。メンバー交代の割り切り方とか、バンドに対するこだわりのなさとか、本当に考えれば考えるほど希有な、唯一無二な人なので、とにかく長生きして、今後ハードロックをもうちょっとやって欲しいなと思っています」(広瀬)と、締めくくりました。
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