没後10周年を迎えるフォーク・シンガー、
高田 渡。今月15日に発売されたトリビュート・アルバム
『コーヒーブルース〜高田渡を歌う〜』を記念し、その長男で音楽家・
高田 漣が22日(水)、東京・吉祥寺の焼き鳥店「いせや公園店」で〈「高田渡トリビュート・スペシャルイベント〉と銘打った弾き語りライヴを行いました。
同店で歌手がライヴを開くのは今回が初めてだそうで、「今回のライヴはキングレコードのスタッフの方が企画してくださったのですが、まさか自分がいつも来ているこの“いせや”さんでライヴをやらせていただけるとは思ってもいなかったので、びっくりしています。今日は、父が遺した数ある作品の中から比較的明るい曲を選びまして、皆さんと一緒に楽しい雰囲気のライヴができたらいいなと思っています」「今日は短い時間ですけれど、ガンガン飲みながら聴いていってください」(高田 漣)と、笑顔であいさつ。「仕事さがし」から「自転車にのって」、「ヴァーボン・ストリート・ブルース」「コーヒーブルース」「フィッシング・オン・サンデイ」「アイスクリーム」「鉱夫の祈り」の全7曲を披露しました。
ライヴ中には、「僕は生まれたのは京都ですが、家は三鷹にあって、そこに23、4年住んでいました。この吉祥寺には同級生がたくさん住んでいまして、いせやさんには、子どものころからよく父に連れられて来ていましたし、いまでもよく飲みに来ています。(井の頭線・吉祥寺駅から2駅目の)井の頭公園駅の近くに写真館がありまして、父のアルバム『ヴァーボン・ストリート・ブルース』の中に写っている写真を撮りにいったことを覚えています。いまでも吉祥寺に来ると、そのことを思い出します」など、父との思い出を語る場面も。
また、父の音楽については、「父の作品を自分で歌ってみるとすごく難しいですね。しゃべるように、言葉を物語るように歌うのは、いまだにライヴをやっていてもとても難しいなと思います。まだまだ父の域には達していませんね。(父からの影響については)音楽そのものよりも、音楽に対する聴き方、姿勢に影響を受けているなと思います。父はいろんな音楽を聴いたら絶えず、その人のルーツは何だろうかとか、その人はどういう音楽を聴いてこうなったんだろうかとか、その人は一体どういう国の人なんだろうかと掘り下げる人だったので、僕も楽器を弾く前から、自分で洋楽を聴くようになったころから、そういうふうに音楽に接していたような気がします」と、言葉を寄せています。