より創造的な音楽文化の可能性を育むため、東京オペラシティ文化財団が世界の次代を担う若い世代に新しい音楽作品の創造を呼びかける“武満徹作曲賞”。これまでに
デュティユーや
リゲティ、
ライヒといった著名な作曲家が審査員として迎えられ、ただ一人の作曲家が審査員をつとめるというユニークさと、受賞者のその後の活躍などにより、世界的に知られている作曲コンクールです。5月31日(日)には“2015年度武満徹作曲賞”の本選演奏会が行なわれ、1位が2名、2位2名、賞金は全員同額の結果が発表されました。
2015年度審査員は、フィンランド出身で、現代を代表する作曲家の一人、カイヤ・サーリアホ(Kaija Saariaho)。17回目となる今回は、世界44ヵ国151作品から2014年10月中旬〜12月中旬の譜面審査(作曲者名等の情報は伏せ、作品タイトルのみ記載されたスコアを使用)で4作品が選ばれました。サーリアホは、「最後の最後までなかなか結論が出ませんでした。今年は4位および3位はございません。2位を分かち合うのは、ファビア・サントコスフキーさんとトーマス・ヴァリーさんです。1位を分かち合っていただくのは、セバスチャン・ヒッリさんとイーイト・コラットさんとなります。そして賞金総額は4人で均等に分けていただくこととなります。」と語りました。受賞曲ならびに受賞者は下記のとおりで、審査員サーリアホの講評や受賞者のプロフィール、受賞の言葉など、詳細は東京オペラシティのwebサイト(
www.operacity.jp/concert/award/result/result2015)でご確認いただけます。
第1位: セバスチャン・ヒッリ
(Sebastian Hilli / フィンランド)「リーチングス」[賞金75万円]
第1位: イーイト・コラット
(Yi?it Kolat / トルコ): 「dife?as」[賞金75万円]
第2位: ファビア・サントコフスキー
(Fabia Santcovsky / スペイン)「存在の絵」[賞金75万円]
第2位: トーマス・ヴァリー
(Thomas Wally / オーストリア)「ループ・ファンタジー」[賞金75万円] 当日の演奏は、NHK−FMにより収録されており、番組『現代の音楽』で6月21日(日)と6月28日(日)の2回に分けて、両日ともAM8: 10〜9: 00の放送を予定。若い世代の作曲家たちの音楽を、ぜひご堪能ください。なお、次回2016年度は審査員に一柳慧を迎え、2016年5月29日(日)に本選演奏会が開催される予定です。
photo(C)大窪道治
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2015年度武満徹作曲賞本選演奏会
TORU TAKEMITSU COMPOSITION AWARD 2015: Final Concert2015年5月31日(日)
東京オペラシティ コンサートホール: タケミツ メモリアル
審査員: カイヤ・サーリアホ
演奏: 渡邊一正指揮東京フィルハーモニー交響楽団
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『現代の音楽』www4.nhk.or.jp/P446/6月21日(日)、6月28日(日)
両日ともAM8:10〜9:00の放送を予定
※2回に分けて放送されます。
※放送日は変更になる場合があります。