ヨーロッパやアメリカの現代音楽シーンでも近年大きなトピックとなっている“現代中国の作曲家たち”の活動に焦点を当てた
アンサンブル・ノマドのシリーズ
『Ensemble Nomad[現代中国の作曲家たち]シリーズ 宋名筑 室内楽作品集』(ALCD-108 2,800円 + 税)が8月7日(金)にリリースされます。
アンサンブル・ノマドは、97年にギタリスト
佐藤紀雄の呼びかけによって集まった、無類の個性豊かな演奏家によって結成されたアンサンブル。“NOMAD”(遊牧、漂流)の名にふさわしく、時代やジャンルを超えた幅広いレパートリーを自在に採り上げ、斬新なアイデアやテーマによるプログラムによって独自の世界を表現するアンサンブルとして内外から注目されています。
四川音楽学院大学院で作曲科教授を務め、中国政府文化部からも最高賞を二度授与されている作曲家・宋名筑の作品を集める本アルバムでは、弦楽四重奏、木管五重奏など西洋の伝統的な楽器編成上に中国の伝統的な音階や節回しが展開されます。編成も素材も伝統的、しかしそこから立ち上がる音楽の表情は際立ってユーモラスな響きです。宋の音楽から聞こえるのは、伝統に同化するのではなく、伝統を素材として対象化する大陸的な姿勢。中国と西洋、伝統と現代的表現の境界線上に生まれた天衣無縫の音楽となっています。
[宋名筑(作曲)] 漢民族。四川音楽院作曲技術研究センター主任。四川音楽学院大学院作曲科教授。四川大学客員教授。中国政府からの特別手当の受給者に選ばれており、四川省に於ける音楽教育のパイオニア的存在。「音楽教育賞」受賞。また、四川省政府、並びに中国政府文化部から、四川省に於ける高等教育の達成と優れた音楽教育に対して授与される最高賞を2度受賞している。
研究者、作曲家として「国家級の特色ある学科設立」のための特別資金の提供を得ており、「四川省ブランド学科賞」や「中央財政支援地方高校発展の特別資金」を含む、中国政府や様々な協会が主催する国内最高の音楽コンテストでの受賞歴が多数ある。また、「成都国際現代音楽祭」、「中米音楽の架橋祭」、「中韓東方紀元祭」、「中国・シンガポール ブルーリンク祭」など、数々の音楽祭を主催し、成功に導いている。ISCM(国際現代音楽協会)の中国支部代表として、香港やクロアチアなどで開催された同協会主催の音楽祭に参加者を派遣している。
特別ゲストスピーカー、作曲家、審査員、メインプレゼンターとして、日本、フィリピン、韓国、スイス、ポーランド、チェコ、ロシア、イギリスなど各国に招聘され、現地のコンサートへの参加や講師、テレビ番組などに出演している。30曲以上の作品が大手出版社から出版されており、中国科学文化レコード出版社から「Dreams at Edge Sealing」を含む7枚のCDがリリースされている。海外からの作品の委嘱も多い。■2015年8月7日(金)発売
『Ensemble Nomad[現代中国の作曲家たち]シリーズ 宋名筑 室内楽作品集』ALCD-108 2,800円 + 税
[演奏]
アンサンブル・ノマド
[収録曲]
01. 四川ちんいん清音の香り[picc, vn, va, vc, cb](2014)
02-03. 二つの弦韻[古箏, pf, 弦楽四重奏](2007 / 2010)
04-05. イ族の唄[vn, pf](2010)
06-09. 四川の子供時代[木管五重奏](1982)
10. Gong Cha[弦楽四重奏](2011)
11. プレリュードとトッカータ[木管五重奏](2005)
[録音]
2015年1月29〜30日 神奈川 相模原 相模湖交流センター