坂本龍一の最新作となる、沖縄民謡女性4人グループ“
うないぐみ”とのコラボレーションが実現したチャリティ・シングル「弥勒世果報 - undercooled」が10月14日(水)に発売決定。配信は9月16日(水)より先行でスタートします。なお、本作の売上げからレーベル・サイドの手数料や諸経費をのぞいたアーティストの収入は全て、「辺野古基金」(
henokofund.okinawa)に寄付されます。
数年前、坂本の楽曲「undercooled」(2004年発売アルバム
『CHASM』収録)に、旧知の音楽仲間である
古謝美佐子・うないぐみサイドから「沖縄語の歌詞をつけて唄いたい」と坂本に依頼があり、昨年から歌と三線の録音がスタート。坂本の病気による中断を経て、今夏ようやく完成へと至ったとか。また間奏では
UAとその子供たちがつぶやきで参加、アートワークに使われている絵は沖縄出身の
Coccoが本作の主旨に賛同し提供したもの。
オリジナルの「undercooled」は、9.11のアメリカ同時多発テロ事件、その後に続いたイラク戦争や世界中にあふれる軋轢を憂慮し、「冷やし足りない」という意味を持つタイトルに「いまの世界はまるで頭に血が上ったかのような状態。もっと冷静になろう」とのメッセージを込めた楽曲。そして今回、沖縄の基地問題に大きな懸念を持つ坂本とうないぐみが、あくまでも冷静(undercooled)に優しく、かつ強く、音楽と歌の力で平和な沖縄、平和な日本、そして戦争の無い世界の実現を願い制作したのが「弥勒世果報 - undercooled」。タイトルとなった“弥勒(みるく)世果報(ゆがふ)”とは沖縄古来の信仰で「弥勒神(みるくがみ)がもたらす理想的な平和で豊かな世の中」を意味し、沖縄語の歌詞は、自然賛美、戦争の哀れ、弥勒世果報への願いを綴っています。
うないぐみは、坂本のアルバム『NEO GEO』『BEAUTY』、これらのアルバム発売に際して行なわれたワールド・ツアー、「オペラLIFE」などのプロジェクトに参加した古謝美佐子を中心に、同じく初代
ネーネーズの
宮里奈美子、比屋根幸乃に島袋恵美子が加わり、2014年に結成。今回坂本はメンバー4人の歌の持つ力を生かすアレンジに徹し、暖かくも感情過多にならない、落ち着いた静かな魅力をさらに引き出しています。