デヴィッド・ギルモア(David Gilmour)の9年振りの新作
『飛翔』から、「黄色いドレスの少女」のミュージック・ビデオが公開されました(youtu.be/7PwQrEbEnrM)。
この曲はもともとはデヴィッドの友人の画家が描いた作品からインスパイアを受けて作られたもの。もっともストレートにジャズからの影響を感じさせるナンバーで、
ジュールズ・ホランド、
ロバート・ワイアット、初期の
ピンク・フロイドに参加していたラド・クローズら多彩なゲスト陣のクールな演奏とともに、抑えたトーンで素晴らしいヴォーカルを聴かせるギルモアの表現力もじつに印象的です。
ビデオは新進気鋭の映像クリエイター、ダニー・マッデンによって2ヵ月にわたって制作されたアニメーションで、この曲の着想元となった絵画の世界観を表現しています。
10年以上前、ジャズ色の強い曲が、ふと頭に浮かんだ。『オン・アン・アイランド』の制作中からあった曲で、曲と歌詞は友人でもあるマシューズという画家の絵からインスピレーションを受けた。黄色いドレスを着た美しい少女が踊るとても素敵な絵で、少女は相手の肩に手を置きながらも、目はサックス奏者を見ていた。ジャズ・バンド全体が描かれていてね。この曲はジャズだが少し異色のジャズだ。すんなり仕上がったわけではない。最初に録音したのは2004年にジャズ・トリオと歌詞なしでアストリアで録音した。その後アビィ・ロードで再録音した。その時参加した一人がジュールズ(・ホランド)だった。彼の演奏スタイルにぴったりだからね。ベースはローレンス。ギターは初期のピンク・フロイドにもいたラド・クローズ、旧友でもある。ある時ジュールズがこの曲をピアノで弾くのに苦戦していた。“どうしても物語に夢中になってしまってね” “歌詞を追ってしまう”とね。――デヴィッド・ギルモア