東京・日比谷図書文化館の各種学習プログラム「日比谷カレッジ」にて、〈戦争とモーツァルト〉の講座が開講されます。本講座は全2回で、第1回“大戦下の演奏家たち”が12月12日(土)、第2回“モーツァルトの政治利用”が2016年1月23日(土)を予定。講師はエディター / 作家である大原哲夫が務めます。
第1回“大戦下の演奏家たち”は、第一次世界大戦、第二次世界大戦下の過酷な時代に、ジャワ島の日本
軍の収容所に入れられたシモン・ゴールドベルク、リリー・クラウス、強制収容所で1942年に亡くなった
エドウィン・シュルホフらの残した
モーツァルトの歴史的名演奏を聴くという内容です。続く第2回“モーツァルトの政治利用”は、ふたつの「レクイエム」の聴き比べ、ベルリンでの近衛秀麿の録音、フルートのモイーズやホルンのブレインなどの歴史的名演奏を通して、戦争と音楽との関係を問い、ナチスの弾圧の下で音楽家たちはどう生きたのか、歴史的文脈のなかでモーツァルトの演奏を振り返るというものです。
講師の大原哲夫は、1947年生まれのエディター / 作家。小学館版『モーツァルト全集』『バッハ全集』『武満徹全集』『林光の音楽』など全作品CD収録の音楽全集を企画、編集長を務めました。2008年に大原哲夫編集室を開設し、編集・執筆活動のほかコンサートをプロデュース、その一方で造形作品・絵画を発表しています。